敏腕代理人ライオラが巨額を稼ぐスキームとは? イブラやポグバに続きハーランドも顧客に――

2020年03月15日 片野道郎

才能溢れるタレントにいち早く目を付けて

サッカー界で最も大きな影響力を持つ代理人として知られるライオラ。(C)Getty Images

 ミーノ・ライオラ(52歳/イタリア国籍)は、ズラタン・イブラヒモビッチをはじめ世界的なトッププレーヤーを数多く顧客に抱え、メルカートのたびに世間を大きく騒がせるビッグディールを取り仕切って話題の中心に。現在のサッカー界で最も大きな影響力を持つ、まさにスーパーエージェントだ。

 10代の才能溢れるタレントにいち早く目を付け、移籍を通じてそのキャリアをステップアップさせながら、自らも巨額のコミッションを稼ぎ出す剛腕が大きな特徴。顧客(と自分)のためならクラブと対立することも辞さないタイプで、イブラヒモビッチにはじまり、マリオ・バロテッリ、ポール・ポグバ、ジャンルイジ・ドンナルンマと、クラブに揺さぶりをかけて好条件の契約を引き出したケースは枚挙に暇がない。

 19年夏はマタイス・デリフトをユベントス、今年1月はアーリング・ハーランドをドルトムントに移籍させた通り、まだ伸びしろを残した若きビッグタレントを2番手グループのビッグクラブに2~3年、低めの契約解除金を設定して「パーキング」させ、スーパーメガクラブに転売する余地を残す――。そんなスキームを使うケースが近年は目立っている。

 その強引なやり方をめぐって顧客と対立することも稀にあり、ロメル・ルカクやマレク・ハムシクなどはキャリアの途中で代理人を変更。しかし、最近もハーランドに加えマルコ・ヴェッラッティやロレンツォ・インシーニェなど、ステップアップ移籍&昇給を望んでライオラと契約する選手のほうがずっと多い。

 20年夏はポグバやドンナルンマ、インシーニェら多くの顧客の去就が注目されるだけに、引き続きメルカートで話題の中心になるだろう。

●主な顧客(仲介を含む)
アーリング・ハーランド(ドルトムント)
ポール・ポグバ(マンチェスター・U)
ジャンルイジ・ドンナルンマ(ミラン)
ズラタン・イブラヒモビッチ(ミラン)
マルコ・ヴェッラッティ(パリSG)
ロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)
マタイス・デリフト(ユベントス)
マリオ・バロテッリ(ブレッシャ)

文:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年3月19日号より転載
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