白星発進の福岡、ブラジル人大型DFの加入でさらなる進化も。長谷部新体制、シーズン再開へ高まる期待感

2020年03月03日 中倉一志

長谷部監督のグローリ評は「ヘディングも強いし、守備のところはボールを激しく奪える」

2月の開幕直前に加入したグローリ。ディフェンスラインの強度を上げる存在となりそうだ。写真:中倉一志

 結果から逆算して、やるべきことにポジティブに取り組む。福岡が始動日から見せる姿勢は中断期間も変わりはない。突然のリーグ中断を「攻守にわたる連動性を高める時間ができた」と前向きに捉える長谷部監督の下、チームは変わらぬ激しいトレーニングを積んでいる。緊張感とリラックスした雰囲気が程よくミックスされたトレーニングは開幕前と同じ。むしろ時間ができたことでポジション争いはさらに激しくなり、本番さながらに身体をぶつけ合いながらボールを追っている。今後は練習試合を通して、実戦での精度を上げていく予定だ。

 また、ホーム開幕戦が予定されていた1日には、当初のキックオフ時間に合わせて選手主導でインスタライブを実施。ネットを通してファン、サポーターとの触れ合いの時間を作った。「クラブと何かできないかと話し合って、今だからこそやれることができたと思う。ホーム開幕戦をすごく楽しみにしていた方たちも多いと思うので、僕たちが何か一つの楽しみになれればいいなと思っていた」とは前寛之。上島拓巳は「まずはサッカーで結果を出しながら、サッカー以外のところでも福岡を盛り上げていきたい」と話す。開幕戦では、クラブ、チーム、ファン、サポーターが一体となって勝利を手にしたが、その一体感はさらに増すような印象を受ける。

 そして戦力面での上積みが期待されているのが開幕直前に獲得が発表されたブラジル人DFのグローリの存在だ。「非常にナイスガイ。すごく誠実な雰囲気を持っていて、いい経験を積んできた選手という印象がある。ヘディングも強いし、守備のところはボールを激しく奪える。身長がある選手にありがちなスピードやアジリティの面で劣るということもない」と長谷部監督はグローリの印象を口にする。唯一の不安材料は戦術面での理解度がどこまで高まるかにあったが、それも約3週間の中断期間が解決してくれるだろう。

 本人も次のように語り、日々のトレーニングを通して福岡のサッカーに馴染んでいることを実感しているようだ。
「上手く順応できてきている実感はある。合流当初は、トレーニング方法や内容が、今まで自分が経験してきたこととは違い上手くいかないこともあったが、チームメイトが自分をサポートしてくれることもあって慣れてきた。さらにクオリティを高めていきたい。自分がプレーすること、そしてチームに貢献できることを楽しみにしている」

 開幕戦ではチームが掲げるアグレッシブなサッカーを存分に披露した福岡。さらに進化した福岡がどんなサッカーを見せるのか。再開初戦となるホームの町田戦が今から楽しみだ。

取材・文●中倉一志(フリーライター)
 
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