「主審から守られてなかったクボを…」マジョルカのベテランMFが久保建英を“かばって”退場に! 一体何が?

2020年03月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「マジョルカの魂に火をつけた」シーンとは?

ヘタフェのハードマークに苦しんだ久保のために、マジョルカの仲間が怒りを露わにした。 (C) Getty Images

 現地時間3月1日に行なわれたラ・リーガ第26節、マジョルカが本拠地ソン・モイスにヘタフェを迎えた一戦で、珍しいシーンが起きた。

 0-1とマジョルカがビハインドを負っていた試合終了間際の90分、ヘタフェがティモルとオゲネカロ・エテボを交代させた時だった。主審のマリオ・メレーロ・ロペスはマジョルカベンチの前へと駆け出し、サルバ・セビージャに2枚の警告を突き付けて退場処分、さらに指揮官のビセンテ・モレーノも退席させたのだ。

 途中交代でベンチに下がっていた選手の退場という異例の事態はなぜ起きたのか? スペイン・メディア『Fichajes』によれば、セビージャは、久保建英をかばおうと思って退場したのだという。

 この試合で、日本代表MFはリーガ屈指の強度を誇るヘタフェに厳しくマークされた。とりわけ対峙したエテボからは、アフターチャージも厭わないほど執拗なチェックを受け、88分に接触プレーがあった際には、久保が指を突き立てて不満を露わにするなど、険悪なムードが漂っていた。

 そんなエテボがベンチに下がったタイミングで、主審に食って掛かったことでセビージャと指揮官は"退場"となったのだ。

 地元紙『Diario de Mallorca』は、「サルバ・セビージャの価値ある怒り」と見出しをつけた記事のなかで問題のシーンをこう振り返っている。

「明らかなファウルをされているにもかかわらず、主審から守られていなかったクボを助けるべく、ソン・モイスのピッチに立っていなかったベテランは退場となった。直前のプレーでエテボのマークを受け、転倒した日本人MFは、故意ではなく手でボールに触れ、主審がそれをハンドとしたのだ。それがマジョルカベンチの魂に火をつけたのである」

 ただ、退席処分を命じられた指揮官は冷静だった。試合後の記者会見で、次のようにコメントしている。

「間違っていたとは思わない。全てのレフェリーが最善を尽くしていると思う。だが、彼らが正しい時もあれば、間違っている時もある。それは我々にも言えることだね。お互いのことを理解しなければならない。ただ、ああいうプレーがあった後では静かにしていることは難しいし、2枚目のイエローは厳しいものだったよ」

 ヘタフェに敗れ、依然として降格圏の18位に沈んでいるマジョルカ。故障が相次ぐなか、次節は経験豊富なベテランMFを出場停止で欠くことになってしまった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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