「予算すら聞いてない」「魂を失うことに…」ミランが内部分裂か? ボバンがオーナーとCEOへの不満を吐露!

2020年03月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

CEOは「ミランに2つの魂はない」と主張も…

ガジディスCEOが否定したクラブ内部の対立を認めるかたちとなったボバン。(C)Getty Images

 事実上、内部対立を認めたかたちだ。

 ミランのスポーツ部門を率いるズボニミール・ボバンが、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』のインタビューで、オーナーの投資ファンド「エリオット」とイバン・ガジディスCEOへの不信感を露わにした。

 以前から内紛が噂されていたミランは先日、オーナーサイドが監督兼強化マネジャー就任をラルフ・ラングニックに打診し、仮契約にもサインしたとの報道が浮上した。

 ガジディスは先日、同紙のインタビューで「ミランに2つの魂はない」と主張。テクニカル部門との亀裂を否定し、「共通のビジョン」があると団結を強調している。

 だが、それから1週間。同じ『Gazzetta dello Sport』紙のインタビューに、今度はボバンが登場。「2つの魂はない」との主張に「数日前までは現実と思っていた」と、ガジディスへの不信感を公にした。

 ラングニックの件について、ボバンは「最悪なのは、チームが成長し、監督の見事な手腕が見えてきた時に、この動じさせるような出来事が起きたことだ」と批判している。

「我々に知らせなかったのは敬意を欠いており、エレガントでない。ミランに相応しくない。少なくとも、我々が記憶していたミランに相応しくない」

 さらに、元クロアチ代表MFは「わたしの見方では、団結とは共有、敬意。すべての土台にそのアプローチがある。良い気分で仕事できる唯一の道だ」と、経営サイドにメッセージを発した。

「ガジディスとはすでに話した。ミランのために、できるだけ早くオーナーと会議する必要があるのは確かだ」
 
 今後に向け、ボバンは「オーナーが予算も目標も明確にすべき」と主張。「要は、我々は健全で適切なクラブ運営を保証するために財政バランスの要求を尊重する。オーナーは、偉大なクラブの価値と歴史を代表する者に託したスポーツ面の結果を尊重するということだ」と続けている。

 現時点で「今後の予算すら聞かされていない」というボバンは、「冬の市場は我々が正しかったことを示した。短期間で若手がいかに成長したかを見るだけで分かる」と、若手だけではなく、若手とベテランを適切にミックスさせる必要があるとの考え方が正しかったとも強調した。

 最後に、ボバンは「ミラノとイタリアのアイデンティティーを持つことがいかに重要か、我々は知っている。外国のオーナーにとって理解するのが難しいこともあるのは理解している。だが、大事な道だ」と話している。

「非イタリア化・非ミラン化に至ってはいけない。本当に魂を失うことになるよ。このクラブ、この街、この素晴らしい土地を愛する愛国者のクロアチア人としてそう言っておく」

 ボバンの言葉を、エリオットとガジディスはどう受け止め、どのような動きに出るのか。そして、ミランの今後にどう影響していくのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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