「議論に賛成」「より明確に」FIFA会長、ヴェンゲル提言のオフサイドルール改正に前向き! しかし、課題も…

2020年02月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

ヴェンゲルの提案に乗り気

とりわけプレミアリーグでは物議を醸すことが少なくないVAR判定など、ジャッジの在り方をFIFAが見直そうとしている。 (C) Getty Images

 ビデオアシスタントレフェリー(VAR)が導入された今シーズンのプレミアリーグでは、僅差でオフサイドとなり、得点が取り消されることが議論を呼んでいる。

 そうした事態に一石を投じようというのが、国際サッカー連盟(FIFA)の要職に就いている元アーセナルの指揮官アーセン・ヴェンゲルだ。先日、得点できる身体の一部がオフサイドラインを越えていなかった場合、ゴールを認めるようにルールを改正すべきと提言した。

 FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長も、ヴェンゲルの提案に乗り気である。英衛星放送『Sky Sports』によると、同会長は、「オフサイドルールの新たな見方を議論することに賛成なのは確かだ」と話した。

「いくつか(の判定)はとても、とてもギリギリのところだった。見ている人たちにとって、オフサイドかどうかが分かりづらい。だから、オフサイドのルールをより明確にできるか見ていかなければいけない」

 一方で、VARがオフサイドをチェックする時に、一定のゆとりをもたせる案について、インファンティーノ会長は「問題の解決にならない」と否定的な考えを示した。

「10センチ差(ならVARでOK)にしたとしても、そうしたら10.5センチなら、11センチの場合はどうするのかとなる。問題は解決しない。明確にすべきだ」

 いずれにしても、ルールの改正には国際サッカー評議会を通す必要もあり、即座の変更はあり得ない。だが、FIFAのトップが改正に前向きなのは大きな要素となる。インファンティーノ会長は「イタリア、スペイン、ポルトガル、ドイツでは、VARに関してオフサイドを巡る議論はない」と述べた。

「だが、それは問題じゃないんだ。見ていくべきことなんだよ。おそらくは、ルール、ルールの適応、VARの適応の問題なんだ」

 サッカーの醍醐味であるゴールが、肉眼で判別できないような、ビデオチェックで確認できただけの僅差のオフサイドで取り消されることに不満を表す関係者は少なくない。だがそれが、オフサイドのルールそのものを変更するとなれば大きな改革へとつながっていくのか。今後の進展が注目される。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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