「ほら、言っただろ」ACL開幕連勝の神戸、 アウェー・水原戦で古橋亨梧を決勝弾へと導いた酒井高徳の助言とは?

2020年02月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

元日本代表DFはプレーだけでなく言葉でもチームを勝利に導いた

酒井は試合終了間際に、左サイドからの正確なクロスで、古橋の決勝ゴールをお膳立てした。(C)Getty Images

 足で、言葉で、決勝点を生みだした――。
 
 気温1℃と冷え込んだ水原(韓国)。神戸にとって初めて挑むACLのアウェーマッチは、互いに譲らず0-0のまま試合が進んだ。

 迎えた90分、左サイドでアンドレス・イニエスタがボールを持つと、相手のウイングバックと駆け引きしていた酒井高徳が裏を取る。イニエスタからピタリとパスが届くと、左足で正確なクロスを送り、見事に古橋亨梧のゴールをアシストした。
 
「どう崩そうかハッキリせずに自分たちもボールを回していて、取られ方が悪くてカウンターを受けてしまったり。それが時間とともに良くなる感じがなかったから、亨梧(古橋)に途中で"1対1で仕掛けていいよ"って言って。この状態だと、1枚剥がしたりしないと崩れないから"取られてもいいから仕掛けて"と。80分ぐらいから俺が中に入って亨梧が外に開くことをやっていて。ボールを取られても"それでいいよ。続けてやって、一回チャンスが来たら仕留められるから。相手も体力も残っていないし"って」
 
 後半途中から、確かに古橋は5人に囲まれても突破を試みようとしていた。やや無謀にも見えた仕掛けの裏側には、酒井の言葉があった。個では打開しきれなかったが、それが徐々に5バック気味にブロックを敷いていた水原の守備に穴を開け、土壇場での決勝点に結び付いたのだ。
 
「ワンチャンスで点を取ることができた。良くないながらも勝てる試合というのを、2人で共有していたんで。だから"ほら、言っただろ"と(笑)。"その1点を取れればいいんだよ"という話をした。思った通りに最後は試合が進んでくれて良かった」
 
 この試合、ゴールシーンだけでなく酒井の存在感は際立っていた。守備で対人の強さを発揮するとともに、24分に高い位置でのボール奪取から鋭いクロスを供給。73分にも敵陣でボールを奪ってからショートカウンターを繰り出した。90分間を通してアグレッシブに戦い続け、最後には決勝点をアシスト。敵地で掴んだ勝点3、そして開幕連勝に大きく貢献した。
 

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