「審判のプレゼント!」「紅茶でも飲んでろ」”王者贔屓”の判定に激怒したフィオレンティーナのオーナーが、ユーベ副会長ネドベドと大舌戦!

2020年02月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

ネドベドは「言い訳はうんざり」と一蹴

主審のファブリシオ・パスツァは、2本目のPKではVARでの画面確認を実行した。(C) Getty Images

 ユベントスとフィオレンティーナのライバル関係は、セリエAの中でも有数の激しさを誇る。特に、かつてロベルト・バッジョを引き抜かれたフィオレンティーナのサポーターには、今もユーベを嫌っている者が少なくない。

 その2クラブが対戦した現地時間2月2日に行なわれたセリエA第22節は、3-0でホームのユーベが制した。前後半にクリスチアーノ・ロナウドが2本のPKを決めると、最後は終了間際にマタイス・デリフトがダメ押し弾を挙げている。

 今季不振で監督交代を余儀なくされ、新星ガエターノ・カストロビッリらが不在だったフィオレンティーナだけに、8連覇中で首位に立つ絶対王者に敗れても不思議ではない。だが、イタリア系アメリカ人オーナーのロッコ・コンミッソは、判定への不満を露にした。

 特にコンミッソが怒りをぶつけたのは、ロドリゴ・ベンタンクールをフェデリコ・チェッケリーニが倒した2本目のPK判定だ。

 『Gazzetta dello Sport』紙によると、コンミッソは試合後に「不快だ。3億5000万ユーロ(約437億5000万円)もサラリーに使っているチームに、審判(の助け)は必要ない。ユーベは非常に強いチームじゃないか。審判からのプレゼントではなく、ピッチで試合に勝たせるべきだ」と訴えた。

「イタリアのサッカーにとって正しくない。全世界でこういう試合が放送されるんだ。こんなインチキを見て、何を思うだろうか。不快だよ。イタリアでは審判が試合を決める。これではダメだ」

「ジェノア戦やインテル戦でウチはPKをもらえず、今日は2本取られた。1本目はPKかもしれないが、2本目は確実に違う。PKがあってもビデオアシスタントレフェリー(の指示でオンフィールドレビュー)に行かないのに、ここではPKがなかったというのに見に行き、ああいう判定にしたんだ」

 かつて不正問題で降格を経験しているユベントスは、「審判からのプレゼント」という言葉に敏感だ。副会長のパベル・ネドベドは「うんざりだ。ユーベ戦になると言い訳するのはやめるべきだよ。我々はピッチで堂々と勝っている。ほかのことを騒ぐのはやめてほしい」と反論した。

「それに、コンミッソのような発言には気をつけるべきだね。そういう発言は、人々をスタジアムから遠ざける恐れがある。そういう強い言葉を使う前に、彼は紅茶でも飲んで落ち着くほうがいい」

 だが、この反論を聞いたコンミッソは「紅茶?なぜ向こうが飲まないんだ?」と再反論している。

「ネドベドは口を閉じて、わたしと話すな。わたしはネドベドと話すのではない。彼の会長と話す」

 Gazzetta dello Sport電子版のアンケートでは、1万2500人を上回るユーザーのうち、57.5%と過半数が「審判が試合を決めて不快というコンミッソは正しい」と回答している。判定を巡る議論は絶えないが、試合結果に及ぼす影響が大きすぎると考えるファンが多いのかもしれない。

 いずれにしても、C・ロナウドがクラブ通算50ゴールを達成した一戦は、両クラブの間に新たな遺恨を生んだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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