【FC東京】「サッカーができる状態ではなかった」ピッチで、アダイウトンが披露した技巧

2020年01月29日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

計算し尽くされたゴール

劣悪なピッチに関わらず、アダイウトンは果敢にドリブルでチャレンジした。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

「大雨でサッカーができる状態ではなかった」

 アダイウトンの言うとおり、水浸しになったピッチではパスもまともにつながらなかった。足もとにボールが来れば、敵陣に向かって思い切って蹴る。両チームが選んだのは、リスク回避の戦い方だった。

 そんななか果敢にゴールへと執拗に迫るストライカーがいた。それが、アダイウトンだった。得点にこそならなかったが、20分に独力でエリア内に持ち込んだプレーはなかなか見事で、持ち前のスピードを生かして何度も相手の裏を取ろうとするチャレンジも効果的だった。

 「私たちの本来のサッカーとは違った」

 アダイウトンはそう言うが、十分に気持ちが伝わるプレーを見せてくれた。そんなブラジル人ストライカーの頑張りが実を結んだのが、1-0で迎えた89分。長いドリブルで持ち込むと、前に出ていた相手GKを嘲笑うかのようなループシュートを決めたのだ。少し押され気味だった試合展開での、貴重な追加点。勝利を決定づけたという点で、アダイウトンの働きは称賛に値した。

「私たちは皆で戦って、気持ちを出せた試合だと思っています。自分のゴールでファン・サポーターも喜んでくれたはずなので、良かったです」
 
 決して、まぐれの一発ではない。むしろ、計算し尽くされたゴールだった。

「前半からGKが出ていたのでチャンスがあるなと思っていました。長いドリブルをした時にGKが出てくるのが見えたので、それでループシュートにしました」

 今季最初の公式戦でいきなり結果を出した新戦力のアダイウトン。劣悪なピッチでも輝いた技巧を、ACL本選、さらにJ1リーグでも披露してもらいたい。

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取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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