屈辱の敗退から一夜明け、田嶋会長が“森保監督”、“自身の責任”、“ベストメンバー”について言及

2020年01月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

「すべての試合に勝っていかなきゃいけないというのは、我々の宿命だと思っている」

タイでの視察から翌日帰国した田嶋会長がU-23日本代表について語った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長は1月13日、全国高校サッカー選手権大会の表彰式に出席するために訪れた埼玉スタジアムで報道陣の取材に応じ、前日にU-23アジア選手権で敗退した五輪チームについて見解を語った。

 開催国枠での出場権は確保されているとはいえ、五輪イヤーでの屈辱の敗戦だった。シリア戦での敗北によって、U-23日本代表は大会からの敗退が決定。視察に訪れていた田嶋会長も森保監督と話し合う機会を設けることなどを明言していたが、この日も同様の話題を振られると「全てに関して、技術委員会が真っ先に決めるのは我々のルール。ただ、カタール戦が残っているので、そこをしっかり戦ってもらわないと。選手にも意地を見せてもらわなければいけない」と、チームの奮起を促した。

 また、「我々は五輪後に最終予選も控えている。そこも含めて考えなければいけない」とし、最終予選も見据えた対応をとることを明言。続けて「様々なことについて森保とも個人的に話さなければいけないし、関塚委員長とも話していくが、基本的にはサポートしていくことが前提」とした。

 シリア戦では選手たちから「勝負に懸ける熱量が違った」「相手の気迫を感じた」などと、五輪出場が懸かった相手のメンタル的な強さを挙げる声も出ていたが、田嶋会長は「あの(代表の)ユニホームを着て戦う以上、アイデンティティを持って戦わなければならないわけで、それが他の国と劣るようでは困る。いろんな条件とか違いはあるが、ピッチの中では全力を出して戦うことが前提だと思っている」と語り、いかなる条件の下でもブレずに戦うべきだとした。

 しかし、大会からの敗退によって、五輪世代の強化はいよいよ不安が強まってきているが、「もちろん、すべての試合に勝っていかなきゃいけないのは我々の宿命だと思っている。それに対して自分も責任を痛感しながらやっていくべきだと思っている」と語り、"責任"という言葉を用いて、勝負への強いこだわりも見せた。

 一方で、東京五輪へ向けてチームはこれまで、ベストメンバーを組んでの試合が昨年11月のコロンビア戦のみと、メンバー招集にも苦戦を強いられている。これに関しては「ベストメンバーを組めるのは、本当にもう最後の最後しかない。オリンピックチームもほとんどの選手が欧州でプレーするようになっているので、戦い方をきちんと整理しないといけない」と、欧州組の増加によってベストメンバーの招集が限定的にならざるを得ないとした。

 今後、U-23日本代表は3月のインターナショナルマッチデーにおいて、南アフリカとコートジボワールという五輪出場国と対戦することになる。この2試合には久保建英や堂安律、冨安健洋といった主軸と目される海外組も参戦できる予定だが、果たして田嶋会長と森保監督の面談や、技術委員会の評価を経て、チームにはなんらかのテコ入れが成されるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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