【広島|新体制】「良い補強ができた」と手応え。「ブラジルでも名の通った」新助っ人の獲得も発表!!

2020年01月12日 寺田弘幸

「ほぼ残ってくれたことが一番の補強」(足立強化部長)

左から鮎川、土肥、浅野、櫛引、永井。写真●秋田耕二(フォトスタジオサンエス)

 1月11日、サンフレッチェ広島が行なった新加入選手発表会見では、5選手が壇上に登った。

「ここには点を取りに来ました」と、ストライカーらしくシンプルに挨拶した永井龍(←松本)。「タイトルを取る力のあるクラブからオファーをもらえてすごくうれしかった」と言い、鉄壁の3バックに挑む覚悟を決めて広島にやってきた櫛引一紀(名古屋[昨季は大宮にレンタル])。昨夏に水戸から獲得していた、浅野拓磨の弟である快足アタッカーの浅野雄也(昨季いっぱいまで、広島からのレンタルという形で水戸に残留していた)。そして、昨年9月にすでにプロ契約を締結したユース出身の土肥航大と鮎川峻。タイトルを狙うチームとしては少々控えめな補強となったが、足立修強化部長は「良い補強ができた」と手応えを語っている。

 その充足度の要因は、「ほぼ残ってくれたことが一番の補強」(足立強化部長)だったからだ。主力選手の流出を名古屋へ新天地を求めた稲垣祥のひとりだけにとどめ、レアンドロ・ペレイラやハイネルらブラジル人選手を含めて既存戦力の維持に成功した。クラブ規模を考えれば広島にとって大きな成果のあったオフと言えるだろう。
 会見の冒頭、仙田信吾新社長が『積攻』と掲げたスローガンの意味を「城福浩監督が指揮を執って今年で3シーズン目を迎えます。積み上げてきたものを、より積極的に高めていき、さらに攻撃的なサッカーを目指すという強い想いをこのスローガンに込めました」と語っているとおり、2020年の広島は昨季までに築いてきたものに自信を持ち、継続を武器にしてさらなる積み上げを図っていくつもりだ。

 よって、足立強化部長はこのオフのテーマに「ギアアップ」を挙げてきた。「去年は拮抗した試合をモノにできなかった。速さだったり流れを変えるっていうところで、加入してくれた選手には期待しています」。永井にはジョーカーとして、浅野や鮎川にはスピードで流れを変えるオプションとして、大きな期待が集まる。

 そして、クラブは会見が終わった後にもうひとりのブラジル人選手と契約が合意したことを発表した。21歳のエゼキエウは167㌢・64㌔の小柄なアタッカーで、足立強化部長は「若いんだけど非常にブラジルでも名の通った選手で、スピードがあってハードワークができる選手。彼にもスピードを生かしていってもらいたい」と語った。

 城福体制3年目のシーズン。派手な補強よりも継続を重視してタイトルを目指していくチームは、13日から鹿児島で一次キャンプをスタートさせる。

取材・文●寺田弘幸(フリーライター)
 

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