OBで松本山雅DFの飯田真輝が合宿地を訪れてトレーニングを説明。
アグレッシブなドリブル突破を見せた流経大柏の久保。積極性が先制点につながった。(C) SOCCER DIGEST
流経大柏が走り勝った。立ち上がりこそ、立正大淞南の素早い攻撃に手を焼いたが、素早いプレスを中心とした走力を武器に、ねじ伏せた。
試合後、取材に応えた流経大柏の本田裕一郎監督の第一声は「よく走った。いつものうちらしい速い寄せができた。立正も速かったと思うが、その上をいけたかなと思う」というものだった。
立正大淞南の南健司監督も「相手の速い寄せに対して、いつもの攻撃的なスタイルに持ち込めなかったのが敗因だったと思う」と相手のプレッシャーの速さを敗因に挙げた。
先制点は、MF小川諒也のFKを相手GKが弾き、このこぼれ球を今大会初先発の渋谷峻二郎が押し込んだものだが、そのFKを獲得した場面が印象的だった。自陣で左MF久保和己がボールを持つと、敵を置き去りにして独走。寄せて来る相手を振り切りながら敵陣中央まで力強く運び、相手のファウルに止められた。
久保は「スタイルの似ている相手だから、押し負けた方が負ける。自分のところにボールが来たら全部勝つという感じで、とにかく強気でいった。プレスも逆のSBまで追う気持ちでやった」と、強い覚悟を持って臨んだことを明かした。
相手に競り勝つ、相手ボールを追い続ける――。その徹底ぶりは強烈の一言だ。久保は、後半に相手GKのキックに飛び込んで顔面でブロックするという場面もあった。元々、走力には自信のあるチームだが、今大会の直前には驚くようなメニューをこなしていた。
トリック気味のセットプレーから2点目を決めたDF山田健人は「完全に、あの強化合宿のおかげだと思う。あれがなかったら、今日は走り勝てなかったんじゃないですかね」と12月中旬に茨城県の波崎で行なわれた合宿を振り返った。
午前練習の終わりに100メートル、150メートルと少しずつ距離を伸ばす中距離のシャトルラン、午後練習の終わりにも短距離のシャトルラン。昨年、豊富な運動量を武器に初のJ1昇格を決めた松本山雅のメニューを取り入れたものだった。
OBの飯田真輝が合宿地を訪れて、メニューを説明してくれたという。DF小川諒也は「タイムが決められていて、ほとんどの選手がクリアできない厳しいものだった。でも、繰り返すことでクリアできる選手が増えたり、クリアできた選手がクリアできない選手を引っ張ったりと、チーム力は上がったと思う。まあ、やらなくても走れた……とまったく思わないわけでもないですけど(笑)、あれがあったからこそと思うようにしている」と笑顔を見せた。
夏の3部練習よりも苦しいという声が選手たちの間で起きたというメニューが、4年ぶりの4強進出を支えていた。もちろん、ここで立ち止まる気は毛頭ない。他を圧倒する走力で頂点まで駆け抜けるつもりだ。
取材・文:平野貴也(フリーライター)
■試合の結果
流経大柏(千葉) 3-0 立正大淞南(島根)
得点者/流=渋谷(前半25分)、山田(前半31分)、高沢(後半21分)
試合後、取材に応えた流経大柏の本田裕一郎監督の第一声は「よく走った。いつものうちらしい速い寄せができた。立正も速かったと思うが、その上をいけたかなと思う」というものだった。
立正大淞南の南健司監督も「相手の速い寄せに対して、いつもの攻撃的なスタイルに持ち込めなかったのが敗因だったと思う」と相手のプレッシャーの速さを敗因に挙げた。
先制点は、MF小川諒也のFKを相手GKが弾き、このこぼれ球を今大会初先発の渋谷峻二郎が押し込んだものだが、そのFKを獲得した場面が印象的だった。自陣で左MF久保和己がボールを持つと、敵を置き去りにして独走。寄せて来る相手を振り切りながら敵陣中央まで力強く運び、相手のファウルに止められた。
久保は「スタイルの似ている相手だから、押し負けた方が負ける。自分のところにボールが来たら全部勝つという感じで、とにかく強気でいった。プレスも逆のSBまで追う気持ちでやった」と、強い覚悟を持って臨んだことを明かした。
相手に競り勝つ、相手ボールを追い続ける――。その徹底ぶりは強烈の一言だ。久保は、後半に相手GKのキックに飛び込んで顔面でブロックするという場面もあった。元々、走力には自信のあるチームだが、今大会の直前には驚くようなメニューをこなしていた。
トリック気味のセットプレーから2点目を決めたDF山田健人は「完全に、あの強化合宿のおかげだと思う。あれがなかったら、今日は走り勝てなかったんじゃないですかね」と12月中旬に茨城県の波崎で行なわれた合宿を振り返った。
午前練習の終わりに100メートル、150メートルと少しずつ距離を伸ばす中距離のシャトルラン、午後練習の終わりにも短距離のシャトルラン。昨年、豊富な運動量を武器に初のJ1昇格を決めた松本山雅のメニューを取り入れたものだった。
OBの飯田真輝が合宿地を訪れて、メニューを説明してくれたという。DF小川諒也は「タイムが決められていて、ほとんどの選手がクリアできない厳しいものだった。でも、繰り返すことでクリアできる選手が増えたり、クリアできた選手がクリアできない選手を引っ張ったりと、チーム力は上がったと思う。まあ、やらなくても走れた……とまったく思わないわけでもないですけど(笑)、あれがあったからこそと思うようにしている」と笑顔を見せた。
夏の3部練習よりも苦しいという声が選手たちの間で起きたというメニューが、4年ぶりの4強進出を支えていた。もちろん、ここで立ち止まる気は毛頭ない。他を圧倒する走力で頂点まで駆け抜けるつもりだ。
取材・文:平野貴也(フリーライター)
■試合の結果
流経大柏(千葉) 3-0 立正大淞南(島根)
得点者/流=渋谷(前半25分)、山田(前半31分)、高沢(後半21分)