マンCはメッシ獲得目前だった!? 元CEOが11年前の仰天エピソードを激白! 「オーナーの叫び声が…」

2019年12月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

思わぬ誤解から生まれかけたメガディール

バルサの押しも押されもしないエースとして君臨しているメッシ。このサッカー界屈指のクラッキの獲得をシティは狙っていたようだ。 (C) Getty Images

 オイルマネーによって、プレミアリーグ屈指の強豪へと成り上がったマンチェスター・シティ。現在の繁栄に至る黎明期を支えた幹部が、当時の興味深いエピソードを告白。大きな話題を呼んでいる。

 文字通りの仰天ニュースである。アメリカのスポーツ・メディア『The Athletic』の取材に応じた元シティCEOのガリー・クックが明かしたのは、今から11年前の2008年の初夏のことである。

 当時のシティは、タイの前首相でもあったタクシン・チナワットとUAEの投資グループ、アブダビ・ユナイテッド・グループ(現オーナーグループ)の間でのオーナー権の売買が合意寸前となっていた。

 タクシン氏の右腕として、クラブに従事し、移籍に関する決定権を持っていたクックは、新しくチームの指揮官を務めることになったマーク・ヒューズのために実力派選手の獲得を急いでいた。

 ある日の会議だった。タクシン氏とテレビ電話で補強に関する話し合いを行なっていたというクックは、思わぬ"間違い"を犯してしまうのだ。その時のことを「鮮明に覚えている」という元CEOは、次のように明かした。

「その時はまだタクシンがチームの責任者だった。私とCOOのポール・アルトリッジはテレビ電話で白熱した議論を行なっていた。ポールは元々ウェストハムにいて、ハビエル・マスチェラーノとカルロス・テベスの獲得を進言していた。だが、タクシンはそれを認めなかったんだ。

 だから、ポールが『オーナー、私たちが何をしたらいいかを教えてください! こっちは混乱しています』と言ったんだ。そしたらソファーに横たわっていたタクシンがマッサージを受けていたのか、『イエス! イエス! イエス! メッシー(Messy)、メッシー、メッシーだ』と叫んだんだ。それを聞いた我々は誤解をしてまったんだ。『よし、メッシを獲る必要がある』とね」
 オーナーの発した一言を聞いたクックはすぐさま移籍金の7000万ポンド(約98億円)を用意。アルトリッジからは、「待ってくれ。混乱している。僕らが何をしているのか分かっているのか」と助言されたものの、プレミアリーグへと移籍金の入札を申請する準備を進めたという。

 だが、最終的には、誤解である判明。シティは翌日に入札直前でオファーを取り下げたという。だが、クックは、この時にプレミアリーグの委員長を務めていたデイブ・リチャーズ氏と話した会話も話している。

「デイブからは『ガリー、君たちはリオネル・メッシにオファーをしようとしたのか? 何かの間違いだろ? 何かにムキになっているのか?』と言われたよ。でも、こうも言われたんだ。そのままオファーが本気だったら、バルサも検討したはずだったとね」

 サッカー界に"タラレバ"は付き物だが、メッシの移籍が本当に実現していたら、シティは一体どんなチームになっていただろうか――。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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