「話はしている。ただ…」イニエスタ獲得の可能性は? エストゥディアンテスの“伝説”ベロンが交渉の進捗状況を語る

2019年12月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

レジェンドが語るイニエスタ獲得の可能性

“ブルヒータ(小さな魔法使い)”の愛称で親しまれたベロン(右)だけに、老いてなお芸術的なプレーを連発するイニエスタ(左)を欲するのかもしれない。 (C) SOCCER DIGEST, Getty Images

 Jリーグでキャリアの晩年を謳歌するスペイン・サッカー界の至宝が電撃退団をする可能性はあるのだろうか。

 衝撃の一報が舞い込んだのは、12月20日。スポーツ専門メディア『Tyc Sports』をはじめとする複数のアルゼンチン・メディアが、国内の名門エストゥディアンテスがヴィッセル神戸に所属する元スペイン代表MFのアンドレス・イニエスタの獲得を目指していると一斉に報じた。

 複数メディアの情報を複合すれば、エストゥディアンテスは、2020年12月で神戸との契約が満了するタイミングでのイニエスタの獲得を模索。先月23日に中国の河北華夏から移籍してきた、バルセロナでイニエスタのチームメイトだった元アルゼンチン代表MFのハビエル・マスチェラーノを交渉の"切り札"として使っているという。

 昨夏のJ電撃参戦から日本サッカー界に数多くの驚きを提供してきたイニエスタ。今月21日に行なわれた天皇杯準決勝でも鮮やかなミドルシュートを突き刺し、神戸を新国立競技場で開催される元旦決戦へと導いた。

 もちろん退団となれば、小さくない衝撃を与えることになるが、現時点でアルゼンチン行きの実現性はどのくらいあるのか? エストゥディアンテスの"トップ"が興味深いコメントを残している。かつてアルゼンチン代表でも異彩を放ったファン・セバスティアン・ベロンだ。

 現在エストゥディアンテスで会長を務めているベロンは、父ラモンとともにクラブを代表するレジェンドだ。現役時代の晩年には、マンチェスター・シティなど欧州クラブからのオファーを蹴って、古巣に復帰すると、3年後にはコパ・リベルタドーレスを制し、クラブ史上4度目となる南米制覇に貢献した。

 その後、2度に渡って現役引退をするも、2016年にはエストゥディアンテスの会長として「新しいスタジアムのシーズンチケットが65%売れた場合、現役に戻る」という公約を掲げて見事に達成し、"会長兼選手"として、事実上無給(最低賃金を全てクラブに寄付)で復帰。財政難に陥っていたクラブを救った。

 そのレジェンドは、イニエスタ獲得の情報について、地元ラジオ局『La Oral Deportiva』の番組で、こうほのめかした。

「我々はいくつかの連絡を取り合っている。現時点でイニエスタとの(本格的な)交渉があるとは言えないが、そうだね、話はしているよ。ただ、この交渉は単純なものじゃない。実現するか否かにかかわらず、イニエスタと契約しようとすることは人々が忘れられないものになる」

『Tyc Sports』によれば、エストゥディアンテスは3月を目途に具体的な交渉を行なうと報じているが、来年5月で36歳となるイニエスタはアルゼンチン挑戦という一大決心を下すのか? その動静はしばらく注目を集めそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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