金田喜稔が香港戦を斬る! 5点で終わってはいけない試合。最も期待外れだったのは…

2019年12月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

アピールするんだという覇気を見せてほしかった

代表デビューを飾った仲川(左)は持ち味を発揮できなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 目の前に試合に5ゴール、無失点で勝ったという意味では、もちろんよかった。ただ、香港との力の差がありすぎて、評価がしづらい試合だった。

 物足りないのは、後半が1ゴールで終わったことだ。5点目を取った後、試合が膠着してしまったけど、相手がボールを奪いに来ているわけでもないんだし、最後までとことん攻め抜く姿勢が欲しかった。

 8点、9点、いや10点取らなきゃいけない試合だったと思う。即席チームでコンビネーション不足と言っても、個人技で1枚や2枚、簡単に引き剥がせる相手だったんだから。ボールを回してばかりで、縦パスをいれず、前線の選手も背後を狙ったり、くさびを受けたりする動きが少なくなってしまった。ミドルシュートも決定的に不足していた。

 5点目を取った後も、ここでアピールするんだという覇気を見せてほしかった。完全に迫力不足。この緩んだ時間があまりにも長すぎる。もっと貪欲さを見せないと。

 ピッチの中で解決できないのなら、森保監督が積極的な選手交代をして、メッセージを送るべきだった。畠中を入れたのは、どんな意図だったのか。田中(駿汰)を中盤で試してみたい、ということだったのかもしれないけど……。
 
 最も期待外れだったのが仲川だ。注目されていただけにね。横浜ではサイドでプレーしているから、慣れないシャドーに戸惑ったのかもしれない。香港が中央を固めてサイドが手薄になり、相馬と菅の両サイドバックがかなり高い位置まで上がっていたから、サイドに流れることもできなかった。前半は、裏を狙う動きを何度もしていたけど、ボールが来なかったという不運もあった。

 それを踏まえても、決定機を作り出せなかったのは物足りないし、個の力で突破するようなシーンを見せてほしかった。正直、JリーグのMVPってこんなものなの、という出来だったよね。

 小川は素晴らしかった。相手が相手とはいえ、ハットトリックは簡単にできるものじゃない。とくに評価したいのは、3点目のヘディングシュート。途中でコースが変わっても反応できたのは、予測していたからだ。

次ページ2年前は韓国に大敗し、ハリルで大丈夫かという雰囲気に…

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