「中国のファンを深く傷つけた!」エジルの刺激的な“ウイグル発言”が特大の波紋を呼ぶ

2019年12月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

中国協会が異例の声明。「強い憤りと失望を感じている」

昨年のロシアW杯以降は話題に事欠かず、なにかとお騒がせなエジル。(C)Getty Image

 12月13日、アーセナルの元ドイツ代表MFメスト・エジルが自身のインスタグラムにひとつのメッセージを投稿した。これが、特大の波紋を呼んでいる。

 エジルが言及したのは「東トルキスタン共和国」における問題だ。ただこの名称は公的に使われておらず、中国国内では「新疆ウイグル自治区」とされる地域である。当地には1000万人のウイグル人が居住しており、そのおよそ半数にあたるテュルク系ムスリム人が迫害を受けてきたとされるが、中国当局はその事実を認めていない。

 このデリケートな世界的関心事に対してエジルは、「コーランが燃やされ、モスクが閉鎖され、学校に通うことも許されない。そして圧政者たちは聖職者たちを殺し、大勢の人びとが強制収容所に送られている」などと窮状を訴え、「それでもムスリムたちは静かで誰も騒ぎ立てようとしない。彼らを見捨てているんだ。迫害を容認すること、それ自体が迫害だとなぜ気づかないんだ」と呼びかけた。

 当然、中国側からは大きな反発を招いている。中国版ツイッターの『WEIBO』上ではエジル発言へのバッシングが殺到し、これに慌てたのが所属クラブのアーセナルだ。中国国内でのプレミアリーグ人気は絶大で、アーセナルも途轍もない数の中国人サポーターを抱えている。英紙『The Mirror』は「クラブにとっては計り知れない商業的損失を招く可能性がある」と指摘した。

 クラブは公式『WEIBO』と公式サイトで声明文を掲載。「メスト・エジル選手のソーシャルメディアにおけるコメントについて、アーセナルとしての見解は明白です」と前置きし、「一連の発言はあくまでエジル選手個人の意見です。フットボールクラブとして、アーセナルは政治的事象に関与しないという主義を貫いてきました」と綴っている。

 
 一方、騒動を受けて中国サッカー協会も異例の反応を見せた。こちらは「世界的に有名なエジル選手による今回のコメントに対して、我々は強い憤りと失望を感じています。事実に反する内容だからであり、彼を応援してきた数多くの中国人ファンを裏切り、深く傷つける行為です。とうてい受け入れることはできません」と、遺憾の意を示した。

 はたして今後、どのような顛末を迎えるのか。エジル本人からさらなるアクションがあるのかを含め、動静が注視される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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