「我々は20年、誤解したままグアルディオラを追ってきた」前ユーベ指揮官が“ペップ流”に苦言! 大御所サッキにも噛みつく

2019年12月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

「なぜパスを20本も繋がなければいけないのか?」

現在は英語の勉強もしているというアッレーグリ。来シーズンはプレミアのクラブを率いるのか。 (C)Getty Images

 昨シーズンまでユベントスを率いていたマッシミリアーノ・アッレーグリは、来季まで現場に戻らない考えだ。だが、ベンチを離れていても、サッカーのことを考えているのは言うまでもない。

 イタリア紙『Corriere della Sera』のインタビューで、アッレーグリは近年のサッカーに言及した。マンチェスター・シティを率いるジョゼップ・グアルディオラがバルセロナ時代に見せたサッカーの影響が大きい昨今だが、「我々は20年、誤解して彼のことを追ってきた」と話している。

「だれにでもできるサッカーではない。歴史的なバルセロナは、3人の偉大な選手で生まれた。ハイプレスで相手の守備を相手のエリアに押し込む。そして中盤が上がって前線に飛び込み、守備陣はピッチ中央まで上がる。だが、それにはアンドレス・イニエスタ、シャビ、リオネル・メッシがいなければならない。あれは彼らだけのものだったと、我々は共通の教訓とした」

 また、アッレーグリはイタリア・サッカー界の大御所アッリーゴ・サッキが、ポゼッションや攻撃的な姿勢を求めて批判することに「理解できないし、腹が立つ」と述べた。

「なぜ縦へのプレーが攻撃的でないのか。なぜ攻撃的であるのに1メートルのパスを20本も繋がなければいけない?    わたしはサッキの試合を20回も見た。サン・シーロで彼のミランがレアル・マドリー相手に5点決めた試合を覚えている。マドリーは穏やかにボールを交換して、ミランは縦にプレーしていた。まさにカウンターだ。それは簡単じゃないが、できれば素晴らしいショーとなる」
 
 今シーズン序盤にミランで指揮官の座を解任された旧友マルコ・ジャンパオロには、「中央にファンタジスタがほしくても、スソは違う。だが、スソは偉大な選手だ。適応しろ。サッカーは全員のものだ。求めているレジスタがいないなら、ダブルボランチでいいじゃないか」と、夏に会った際に警告していたと明かしている。

「大事なのは(システムではなく)選手のクオリティーだ。監督が妥協してはいけないのはそこさ」

 アッレーグリは「問題は結果、つまり現実だ。それを残せるかどうか」とコメント。さらに、最新技術を駆使した分析以上に、指揮官の見抜く力とそこから生み出すサッカーこそが大切と続けた。

「わたしは家にパソコンも持っていない。iPhoneは電話としてしか使わない。だが、サッカーを見れば自分が何を見ているか分かる。そして多くのアイデアが生まれるんだ。我々はまだ、テクノロジーよりもずっと強い」

 断固たる哲学を持つアッレーグリは、来季からどのリーグのどのチームで、どんなサッカーを見せてくれるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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