「別の決断を下していたら、バロンドールも…」名手ブッフォン、ユーベの2部降格時に残留した過去を回顧

2019年12月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

「強烈なシグナルを送る機会だった」

ユーベで通算18年目を迎えているブッフォン。「引退すべき」との声もあるが……。(C)Getty Images

 ユベントスのベテラン守護神ジャンルイジ・ブッフォンは、12月1日のセリエA第14節サッスオーロ戦で失点を招いて批判を浴びた。5試合ぶりに勝点を落としたユーベは、インテルに首位の座を奪われている。

 42歳という年齢への懸念はぬぐえない。正守護神ヴォイチェフ・シュチェスニーが出場機会を時折"譲る"事態にもつながっている。一部では、ブッフォンは1年でユーベに戻ってくるのではなく、引退すべきだったとの声もあるほどだ。

 だが、ユベントスのサポーターにとって、ブッフォンが特別な存在であることは変わりない。不正スキャンダルに揺れ、クラブが初のセリエB降格を余儀なくされた2006年、ブッフォンはアレッサンドロ・デル・ピエロらとともに、ユーベと2部に落ちることを受け入れた英雄のひとりだ。

 イタリア紙『Tuttosport』によると、ブッフォンは12月4日、当時のことを「サッカーに対する情熱を持つ子どもたち全員に、強烈なシグナルを送る機会だった。自分が真っ先に大切な何かを諦めなければできなかったことだ」と振り返った。

「当時の自分は多くのことを断念した。28歳でキャリアの全盛期にあり、ワールドカップで優勝したばかりで、バロンドールを争っていたんだ。別の決断を下していたら、多くが変わっていただろう」

「でも、あの時は確信していた。良い振る舞いをすることで、人生がすべてを返してくれるとね。いま、42歳でまだここにいられるのは、14年前のあの選択のおかげだ」
 
 長年にわたって世界のトップレベルで戦ってきたブッフォンだが、「サッカー選手は恵まれていることを忘れてはいけない」と考えているようだ。先日、イタリアを代表するほかのスポーツのアスリートとのCM撮影に臨んだ際、気まずい思いをしたと明かしている。

「自分と同じくらいに勝利を収め、最高のレベルでイタリアという国を代表し、もっとも重要なメダルも勝ち取ったアスリートたちがいる。でも彼は、自分のような知名度や、おそらくは自分ほどの稼ぎを得て、それを保つ幸運に恵まれなかった」

「そのことを、すごく残念に思うんだ。スポーツは絶対に能力主義であるべきだからね。自分はより幸運だった。選んだのが、もっともお金になるスポーツだったからね。ただ、その幸運を支えたのは情熱だ。それこそ、スポーツをする子どもたちに僕たちが教えていかなければいけないことだ」

 だからこそ、ブッフォンはミスで批判されることも受け入れる。そして、次の機会に挽回しようと意気込んでいるはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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