「とんだ茶番劇だ!」広州恒大・カンナバーロ監督の電撃“復職”に中国紙が怒りの論調!

2019年11月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

研修名目で離脱のはずが、監督本人はドバイにいた!?

事実上の解任かと思いきや、ふたたび監督に復帰したカンナバーロ。広州恒大と紡ぐ物語はいつまで続くのだろうか。(C)Getty Images

 1週間での、まさかの復活劇だ。

 中国スーパーリーグの広州恒大は11月3日、チームを離れていた元イタリア代表DFファビオ・カンナバーロ監督の復職を発表した。

 アジア・チャンピオンズリーグ準決勝で浦和レッズの後塵を拝し、直後のリーグ戦(河南建業戦)で不甲斐ないドロー劇を演じた。その結果を受けてクラブは「カンナバーロ監督は一時的にチームから離脱し、恒大集団(オーナー企業)の企業カルチャー研修を受講してもらうこととなった。その期間は(主将の)チョン・チーがチームを指導する」との文書を突如リリース。事実上の解任と見られていた。

 ところが事態が急変する。クラブが日曜日に公表した声明によると、「会長であるシュー・ジアインがファビオのルーズな指導と、問題を解決する能力に疑念を抱いていたのは確かだ」と明かしつつ、「しかしいまや、すべてはクリアになった。カルチャー研修においてファビオは熱心に取り組み、精力的だった。若手選手への効果的な影響力も加味し、監督のポストに復帰してもらおうと決断したのだ」と説明している。

 わずか1週間でひっくり返った謎の裁定。中国全国スポーツ紙『新浪体育』は「まったく意味不明で迷走している。ファンが理解に苦しむ、とんだ茶番劇だ」と吐き捨て、次のように論じている。

「そもそも、強制実習のようなアクティビティーが行なわれたのかどうかさえ疑わしい。我々は監督(カンナバーロ)がこの1週間、ドバイでバカンスを享受していたと把握している。彼が広州恒大という強豪グループを束ねる力がないのは明白で、更迭するのになにを躊躇うのか。この1週間、支配者シュー・ジアインはよくよく考えて答を導き出したのだろう。シーズン残りの試合数や、中国代表としての活動が入るチョン・チーの状況も踏まえてのものだが、後ろ向きな判断をしてしまったと言わざるを得ない」

 
 今季のスーパーリーグは残り3節。広州恒大は現在首位を走るものの、彼らの勝点63に対して2位・上海上港が1ポイント差、3位・北京国安が2ポイント差に肉薄してきた。ラスト3試合のスケジュールには、上海上港との頂上決戦が含まれている。

 広州恒大とカンナバーロ監督の現行契約は2022年11月末までで、あと3年も残っている。解任となれば莫大な違約金を支払わなければいけないが、『新浪体育』紙は「クラブ側はそこに迷いはないだろう。ビッグネームを招聘しやすくなるシーズン終了後になんらかのアクションを起こすはずだ」と記し、「リーグ優勝を成し遂げても、カンナバーロがチームを去る可能性は高い。彼自身が今回のような仕打ちを受けて、心中穏やかでいられるはずもない」と予測した。

 アジアを代表する超名門クラブが、揺れに揺れている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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