東京V、MF田村直也の現役引退を発表。所属した2クラブ、ベガルタは「母」、ヴェルディは…

2019年10月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ベガルタの母、ヴェルディの父によって、皆さんの前で堂々とプレーできたこと、本当に幸せでした」

今季限りでの現役引退を発表した田村。悲願のJ1昇格は叶わなかったが、昨年の昇格争いでの奮闘などクラブ史に名を残す存在となったことは間違いない。(C) SOCCER DIGEST

 東京ヴェルディは10月31日、所属するMF田村直也が今シーズン限りをもって現役を引退することを発表した。

 34歳の田村は、落合SCからヴェルディジュニアユースに加入。ヴェルディユースからのトップ昇格は叶わなかったものの、中央大を経て2007年にベガルタ仙台でプロとしてのキャリアをスタートさせた。09年には仙台のJ1昇格とJ2優勝に貢献。その後、4シーズンにわたりJ1でプレーし、14年に古巣の東京Vに完全移籍。中心選手としてコンスタントな活躍を続け、6シーズンにわたってプレーしてきたが、今季は8試合の出場にとどまっていた。

 田村の通算成績は、J1通算86試合・1得点、J2通算230試合・7得点、リーグカップ通算15試合・2得点、天皇杯16試合・2得点、ACL3試合・0得点となっている。

 田村はクラブ公式サイトを通じて、以下のコメントを残している。
 
「今シーズンでプロサッカー選手を引退することを決めました。

支え続けてくれたサポーター、チームメイト、チームスタッフ、フロントスタッフ、そして大好きな家族には感謝しかありません。

本当にありがとうございました。

まずお礼を伝えたいのは、自分をプロとして受け入れ、7年間プレーさせてもらったベガルタ仙台のファン、サポーター、関係者の皆さんです。

本当にありがとうございました。

右も左も分からない、何も知らなかった自分を「母」のように育ててくれました。
今の自分があるのは間違いなく皆さんのおかげです。

自分はマザコンではありませんが、宮城の仲間やサポーター、チームメイト、スタジアム、牛タン、せり鍋、油揚げ…全てを包み込む『母』のような存在の皆さんを心から愛しています。

本当にありがとうございました。

そして、中学、高校、プロとして戻ることができた東京ヴェルディのファン、サポーター、関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

ヴェルディは世の中の厳しさ、希望や未来、現実…沢山のことを背中で教えてくれる『父』のような存在でした。

中学1年生の時からこのチームでプロになりたいと夢を持ち、同期の仲間と切磋琢磨しながら、全員が目指したヴェルディのトップチームのユニフォーム。

今でもこのユニフォームや練習着を着るたびに、過去にヴェルディを支え続けくれた人々の想いや情熱、その責任を感じて胸が震えます。

サポーターや同期の仲間の期待を背負ってプレーできる喜びは、自分にとってこれ以上ない財産になりました。

辛い時も苦しい時も声を枯らし、90分間仲間のために飛び続け、チームを支え続けてくれたサポーターのみんな、本当にありがとう。

数え切れないほど勇気と感動をもらいました。

本当にありがとうございました。

これからも東京ヴェルディを支え続けてください。

そして、このチームの未来のために戦い続ける後輩達を鼓舞し、苦しい時も背中を押してあげてください。

その声は必ず選手達に届き、間違いなく彼らの力になっていくと思います。

「将来サッカー選手になりたい」

小学1年生の時に自分で決めてスタートした日を思い出します。

自分で選んだ道だから、できれば最後も自分で決断したいと思っていました。

ベガルタの母、ヴェルディの父によって、皆さんの前で堂々とプレーできたこと、本当に幸せでした。

この文章で全ての感謝が伝わるかは分かりませんが、試合に出ていた時も出れなかった時も、変わらず応援してくれたサポーターのみんなの声はしっかり届いていたし、その方々のために練習から100%の力をチームのために注いできたことだけは伝えたいです。

どんな時も支え続けてくれた家族やみんなの気持ちを誇りに、胸を張って引退します。

13年間のプロ生活を支えてくれた皆様、本当にありがとうございました。

残りの試合も自分らしくチームに貢献できるよう頑張ります」
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