「理由を何度も訊いたが…」北朝鮮が謎の決断! 韓国開催のE-1選手権に女子代表チームを派遣せず!

2019年10月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

大会事務局長は「政治的な背景」を指摘する

物議を醸した10月15日のピョンヤン決戦。今回北朝鮮は、韓国開催のE-1選手権への女子チーム派遣をキャンセルした。(C)Getty Images

 冷え切った両国の関係が暗い影を落としている。

 年末に韓国で開催されるE-1選手権。8回目(女子は7回目)を迎える東アジア王者決定戦は、男子が日本、韓国、中国、香港の4か国、女子が日本、韓国、中国、北朝鮮の4か国が出場する予定だった。

 ところが10月29日、韓国の大会事務局は「北朝鮮が女子代表チームの不参加を正式に知らせてきた」と発表。「最近になって、突然参加しないとなったわけではない。東アジアサッカー連盟はこれまで北朝鮮が参加できるよう努力を続けてきたが、最終的には不発となった」と明かしている。

 去る10月15日に、カタール・ワールドカップのアジア2次予選がピョンヤンで開催され、北朝鮮代表と韓国代表が激突した。試合はスコアレスドローに終わったが、北朝鮮当局は選手・スタッフ陣以外、韓国のサポーターやメディアの入国をいっさい認めず、テレビ中継を拒否。急きょ無観客試合とすることも土壇場で判明した。韓国国内から不満が噴出し、FIFA(国際サッカー連盟)も苦言を呈するに至ったあの"事件"である。

 今回の北朝鮮側の女子代表チーム派遣撤回について、韓国の全国スポーツ紙『スポーツソウル』は「一連の流れから、韓国相手にネガティブな結果が出ることを憂慮し、こうした措置を取ったと解釈されている」とし、「韓国との硬直した関係性が影響を及ぼしたと見られる。最近の南北関係が硬化していることから、韓国で開かれる国際大会の参加に負担を感じたのだろう」と予測する。

 東アジアサッカー連盟のパク・ヨンス事務局長は「北朝鮮が参加しない特別な理由は明らかになっていない。理由が気になって何度も訊いてみたが、回答はなかった。公文書には『参加する意向がない』とだけあり、それがすべてだ」と語る。さらに「南北関係や政治的問題が影響を与えた可能性がある。北朝鮮サッカー協会もハンドリングできなかったのではないか」と、こちらも政治的な判断が背景にあったのではと推察している。

 
 北朝鮮女子代表は目下、大会3連覇中。つまり今大会はディフェンディングチャンピオンを欠いての開催となる。最終予選で2位だった台湾が繰り上がって出場する予定だ。

 大会は12月10~18日まで韓国で行なわれる。いわゆる国際Aマッチウイークではないため、男子の参加国はいずれも海外組の参戦が見込まれていない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
参照元●スポーツソウル日本語版
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