岡田武史氏、南アフリカW杯前のヴェンゲルと交わした“お茶会の約束”を明かす!「あのグループを突破できるわけないと…」

2019年10月24日 羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb)

岡田元日本代表監督からの振りにヴェンゲルは…

岡田氏とヴェンゲル氏は古くから親交があるようで、面白エピソードも明かされた。 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 10月24日、元アーセナルの指揮官であるフランス人監督のアーセン・ヴェンゲル氏が、都内で基調講演会を実施。そこで元日本代表監督で、現在はFC今治の会長を務めている岡田武史氏とのトークセッションを行なった。

 まず、岡田氏は、ヴェンゲル氏が1995年に名古屋グランパスを率いた時に知り合い、2010年に開催された南アフリカ・ワールドカップ時にはアドバイスをもらっていたことを明かしたうえで、「ショートパスをつないで、相手の組織を崩す彼のサッカーは日本人に合っている。力づくで、こじ開けるより、戦術的に知的なサッカーをしている」と、そのサッカースタイルを絶賛した。

 次第にトークが盛り上がると岡田氏から「たぶん彼は覚えていると思うんだけど、僕とヴェンゲルとは約束があるんだよね」と切り出す。これにヴェンゲル氏が、「一緒にスタジアムの隣に作った老人ホームに入ろうだっけ?」と会場の笑いを誘う。すると、元日本代表監督は、2010年の南アフリカ・ワールドカップ前のエピソードを明かした。

「2010年のワールドカップ前に僕が選手を見にヨーロッパを回っている時に、アーセンに会いに(アーセナルの)練習場に遊びに行ったんですよ。その練習が終わってから彼とロボ(プリモラツヘッドコーチ)とお茶を飲みながら話したんです。その時にアーセンが『お前、このグループ突破をできるわけないだろう』って。『だってセットプレーでドーンで終わりだよ。もし、このグループを突破したら俺が東京に大きな銅像を建ててやる』って言ってきたんだよね」

 当時、日本とグループで同居したのは、オランダ、デンマーク、カメルーンといずれも日本よりもフィジカル能力に長けた名手を揃えた強豪国ばかりだった。それだけにヴェンゲル氏もベスト16進出が困難であると見立てて、前述のような宣言をしていたようだ。

 さらに岡田氏から「渋谷にビッグな銅像を建ててもらわないと」と振られたヴェンゲル氏は白い歯を見せ、「申し訳ないが、今日はクレジットカードを忘れてしまったんだ」とジョークで飛ばした。

 世界の場で辣腕を振るってきた両指揮官の軽妙なトークには、会場に詰めかけた150人を超えるファンや取材陣も笑いっぱなしだった。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

【アーセン・ヴェンゲルPHOTO】名将が来日!岡田武史氏との対談で飛び出したエピソードに笑顔!
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