「ハーフタイム」を迎えるペップ、いつまでミュンヘンに?【バイエルン番記者】

2014年12月09日 パトリック・シュトラッサー

「ペップはバイエルンにとって授かり物だ」

来シーズンいっぱいで満了するバイエルンとの契約を、ペップは更新するのだろうか。 (C) Getty Images

 もう間もなくやってくる今シーズンのウインターブレイクは、ジョゼップ・グアルディオラ監督にとって「ハーフタイム」を意味する。2013年7月に結んだバイエルンとの3年契約が、ちょうど中間点に達するのだ。
 
 11月28日に開かれたクラブの年次総会の場で、カール=ハインツ・ルムメニゲCEOはグアルディオラに"メッセージ"を送った。
「ペップは、早い段階での契約延長を重要視する人間ではない。しかし、彼がそのつもりなら、私たちにはいつでも用意ができている」
 
 ルムメニゲのアピールに対するグアルディオラの反応は、控えめだった。13節ヘルタ・ベルリン戦(1-0)の後、ペップは契約延長についてこう答えている。
「契約はまだ1年残っている。それについて話をする時間は十分にある」
 
 バイエルンにも、グアルディオラを急かすつもりは毛頭ない。ルムメニゲも慎重に言葉を選ぶ。
「(先の発言では)私が彼をどれだけ高く評価しているか、それを言いたかった。バイエルンで最も重要な人物であるということを、表現したかった」
 
 そう、グアルディオラは間違いなくバイエルンの鍵を握る重要人物だ。とくにスポーツ面では、ペップがほぼすべてを掌握している。チームの方向性から実際のチーム作り、そしてコーチ陣の去就(もちろん、ペップ就任以前からコーチを務めるヘルマン・ガーラントは除く)までだ。クラブが上手く行くか行かないかは、まさにペップ次第である。
 
 強化担当のマティアス・ザマーSDは、2018年まで契約を延長したばかりだ。ザマーは常に、グアルディオラと「素晴らしい共同作業」ができていると主張している。はたして、グアルディラが契約延長交渉の席に着くのはいつだろうか。
 
 バイエルン首脳陣は、遅くとも来年の夏、契約最終年がスタートするまでにはペップの気持ちを知っておきたいはずだ。万が一の場合、後任探しの時間が欲しいからだ。
 
「ペップはバイエルンにとって授かり物(贈り物)だ」
 ルムメニゲは言う。
「監督として、人として素晴らしいペップが、できるかぎり長くミュンヘンに残ってくれるよう、私は全てを尽くす」
 
 敬虔な願いだろうか? ペップはバルセロナの監督を4年で退任した。バルサを去るとき、彼は消耗していた。
 
バイエルン
【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
【翻訳】
円賀貴子
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