セレッソ大阪、鹿島相手にホームで7連敗…またしても勝負どころで勝ち切れなかったチームに不足していたものは何か?

2019年10月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

優勝争いをしていた13年と17年の対戦でも敗れ、行く先を阻まれた過去がある

6連勝を狙ったC大阪だが、ホームで鹿島に惜敗。ACL出場権争いから一歩後退した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 勢い、そして現在のチーム状態でもC大阪が上回っていることは明らかだった。それでも、鹿島の壁を乗り越えることは今回もできなかった。開始早々の6分にセットプレーから許した先制点が重くのしかかり、0-1のままタイムアップ。6位に後退し、優勝争いのみならず来季のACL出場権獲得も遠のいた。

 油断はなかったはずだった。「いくら連勝していても、ここで負けたら積み上げてきたものが崩れてしまう。"集中して入ろう"という話はしていた」と主将の柿谷は振り返る。だが、開始から押し込まれ、6分にCKから先制点を献上。いきなりビハインドを背負う展開を強いられた。

 13分にはソウザのスルーパスから柿谷がGKとの1対1を迎え、17分にはソウザのCKをブルーノ・メンデスが頭で合わせる。27分にはブルーノ・メンデスのクロスを奧埜が頭で合わせるなど、幾度となくチャンスは作り出していった。だが、それを生かせないまま前半を終えると、後半は疲れも出始めたのか、押し込んでも決定機を生み出せない。鈴木や高木を送り出しながらも、怪我人を多く抱える鹿島から最後までゴールを奪うことはできなかった。

 シュート数では9対5。試合内容では上回ったとはいえ、フル出場した水沼は首位に浮上した鹿島との差を語った。

「チャンスは作り出せても、ゴールを決められなかったらこういう試合になる。そこは課題ですし、相手のチャンスは最初のセットプレーぐらいだったけど、そういうところをしっかりと決めてくるのは強い証拠。したたかに、90分間とプラスアルファのところまで、この状況で何をしなければいけないということをチーム全体で進めていた。まだ、自分たちが届かないところがあるのかなと思わせてもらえる試合だったのかなと」

 ホームゲームでの鹿島戦は、これで7連敗。優勝争いをしていた13年と17年の対戦でも敗れ、行く先を阻まれた過去がある。今回、またしても常勝クラブに試合巧者ぶりを見せつけられる結果となった。

 足りなかったものは何か。今季のC大阪を見てみると、先制した試合では強さを発揮している一方で、先制されると苦しい展開を強いられている。ここまでの14勝のうち、逆転勝ちはゼロ。ビハインドを背負って相手に固められると、打開できない現実がある。
 
「前に比べたら、1点を入れられてもバタバタしなくなっていると思うし、自分たちのやりたいことをできるようになっているけど、先制してリードしたチームはどこのチームでもやり方をハッキリしてやってくる。それを崩しきるというところが、自分たちの課題として前からある。ミドルシュートを打ってみたり、サイドからもっと崩したりとか、最後のゴール前で身体を張るとか。いろんな部分が足りなかったかなと思います」(水沼)

 この試合、好機を作り出したもののノーゴールに終わり、決定力不足を露呈したC大阪。だが、突出したゴールゲッターがいないだけに、さらに浮上していくためにはチャンスを増やすことも求められる。チームとしての得点力向上が、残り6試合の課題といえる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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