「人種差別とは違う」波紋を広げるB・シウバのツイートを同僚スターリングが擁護

2019年10月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

「決してネガティブな内容ではなかったが…」

同僚B・シウバ(左)の投稿について、擁護の立場を明らかにしたのがスターリング(右)だ。 (C) Getty Images

 マンチェスター・シティのベルナルド・シウバが、チームメイトのバンジャマン・メンディをからかったツイートが、人種差別行為に当たると英国内で批判の声が高まっている。

 先週、B・シウバはスペインのチョコレートメーカー「コギントス」のマスコット画像とメンディの幼少期の写真を並べて、「誰だと思う?」と自身のツイッターに投稿。メンディはこれに泣き笑いの絵文字をつけて返信し、ジョークとして楽しんでいた様子だった。

 だが、これが人種差別にあたるとして批判を浴び、当該ツイートを削除する事態に。その後、イングランド慈善団体『キック・イット・アウト』の訴えによって、イングランドサッカー協会(FA)が調査に乗り出している。

 この件についてクラブはとくに声明を出していないが、ジョゼップ・グアルディオラ監督は「仲のいい友人間のジョークに過ぎない」と擁護。続いて、同僚であるイングランド代表FWラヒーム・スターリングも意見を口にしたようだ。英公共放送『BBC』など、複数の英国メディアが報じている。

 スターリングは、自身も差別的な野次を浴びた経験を持ち、現在は人種差別撲滅のために活動している。そんな彼の目から見て、この一件は「人種差別とは違う」と否定した。

「友人同士のジョークに対して、誰かが不快に思ったようだ。バンジャマンは誰がみても黒人であり、僕らはそれを誇りに思っているよ。もし内容が肌の色や唇の色について侮蔑するような話であれば別だけれど、似ているという話を(差別に)当てはめるのは違和感がある。シウバは落ち込んでいて、そんな姿を見ているのは悲しいよ。彼は良い人だ」

 そして、B・シウバのSNSが"炎上"したことについては、周囲があまりにも過敏になっていることに危機感を覚えていると語った。

「シウバはジョークを言って、それを僕らが目にした。決してネガティブな、侮辱するような内容ではなかったけれど、恣意的に受け取られてしまった。受け止める側も、どれが意図的なものであるのか、きちんと理解する必要がある。そして、発信する側も気を付ける必要がある。我々の立場ではSNSを扱うときにもっと賢くなる必要があると思うんだ」

 世界中の人間が注目しているプロフットボーラーのSNSは反響は大きい。だからこそ、使い方には慎重になる必要があると、スターリングは訴えた。

  さらに、「僕らが言ったことは、すぐに誰かにジャッジされることを知っておくべきだ。そんな状況は悲しいとしか言いようがないけれどね」とコメントし、「今回の騒動が何事もなく決着することを望んでいる」と続けている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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