仙台指揮官も称賛した永戸勝也の劇的同点弾!「労を惜しまず」走ってゴールに絡めるサイドバックに成長

2019年09月30日 小林健志

「逆のサイドハーフがどれくらい飛び出せるのかが、今日の我々の攻撃の肝」と語っていた渡邉監督

横浜戦の終盤89分に同点弾を挙げた仙台の永戸。指揮官も賛辞を贈った。写真:徳原隆元

[J1リーグ27節]仙台1-1横浜/9月28日(土)/ユアスタ

 J1リーグ27節・仙台-横浜は、終盤まで横浜が1点リードしていたが、横浜の逃げ切りを阻止したのは仙台のDF永戸勝也だった。


「僕がジャメ(ジャーメイン良)に斜めに入れたところから始まっています」と永戸自身が振り返った通り、89分左サイドでボールを受けた永戸はやや中に絞っていた右サイドハーフジャーメインへクロスを入れる。ジャーメインは上手くタメを作って、相手DFを引きつけると、ハモン・ロペスへパス。ハモンが振り抜いたシュートはポスト右を直撃。こぼれ球を拾ったのは「負けている状況なので、ゴール前に人数をかけて行かないと」というこの決定機の起点となった永戸。左足を迷い無く振り抜き、ゴールネットを揺らした。「あそこ(ゴール前)まで上がってシュートを打つ場面は少なかったのですが、決め切れたのは自信になります。」と今季2点目となるゴールを喜んだ。
 
 渡邉晋監督は「逆のサイドハーフがどれくらい飛び出せるのかが、今日の我々の攻撃の肝」とこの日の攻撃の狙いを語り、「逆のサイドハーフが出ることに追随して逆のサイドバックも出てくれば、我々のチャンスも広がります。あれくらい押しこんでいれば、(永戸)勝也にもそのスペースと時間があったので、そこを嗅ぎ分けて試合終盤の足が止まりかねない時間帯によくゴール前に詰めてくれたなと思います」と永戸のゴールを誉め称えた。さらには「こうして成功体験をしっかり得ることで、タイミングさえ間違えなければ、ああいう所(ゴール前)に入っていって、チャンスを作る、仕留めるという作業をまたやってくれると思います」と永戸に今後もゴールに絡む活躍を期待していた。

 また、この日は対面にいた横浜のエリキを抑え込むというミッションがあったが、何度か決定機はつくられたものの、エリキに得点に絡む仕事をさせなかった。「エリキは速かったのですが、ある程度抑えられました」と守備でも対人守備能力の高さをいかんなく発揮した。「マリノスさんは選手が立ち位置を変えて入れ替わってきますが、人についていくよりも、ゾーンを守って、自分のポジションに立って守るように言われていました」とチーム戦術を遂行し、守備でも貢献した。

 プレースキッカーとしても冴えを見せている。前節はコーナーキックからシマオ・マテとハモン・ロペスのゴールをアシスト。この試合でも「あそこにポケット(空いたスペース)ができるのはスカウティングで分かっていました。平岡さんに前に入ってもらって、狙ってはいました」となんと直接ゴールを狙うコーナーキックを見せてスタジアムを沸かせた。朴一圭のファインセーブでゴールとはならなかったが、「ああいうのも決めたいですね」とプレースキックにも自信を見せる。

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