「11人のカンナバーロがいた!」「奇跡のクリア」敵地で鹿島を振り切った広州恒大を中国紙が大絶賛!

2019年09月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

それでも日本でのアウェーゲームは「鬼門だった」

あと1点が遠く、アジア連覇を逃した鹿島。選手たちは国内3冠達成に意識を切り替えた。写真:滝川敏之

 激闘を制してアジア4強に名乗りを上げたのは、中国の雄だった。
 
 水曜日ナイターで行なわれたアジア・チャンピオンズリーグ準々決勝、鹿島アントラーズ対広州恒大の第2レグは1-1で終了。第1レグがスコアレスドローで2戦合計1-1のタイスコアとなったが、軍配は180分間で唯一のアウェーゴールを奪った広州恒大に上がった。
 
 ACL連覇を狙う鹿島は40分にCKからタリスカにヘッドで先制される苦しい展開。それでも51分、レオ・シルバのシュートがセルジーニョに当たってゴールに吸い込まれ、すかさず同点とする。終盤は完全に広州恒大を押し込んで怒涛の攻勢を仕掛け、アディショナルタイムにレオ・シルバが絶好機を迎えたが……。勝ち越し点は決め切れず、惜しくも涙を呑んだ。
 
 その一戦を大々的に報じたのが、中国の大手スポーツ紙『新浪体育』だ。「タリスカの黄金の一撃で広州恒大が浦和レッズとのセミファイナルへ!」と題し、次のようにアウェーチームの戦いぶりを絶賛した。
 
「直近の国内リーグで調子を落としていた広州恒大だったが、ゲーム序盤から激しい闘争心で鹿島と対峙した。あまりにも貴重な先制点を奪ったのは、ずっと不調が続いていたタリスカだ。やはり並みの選手とスター選手の差はこうしたところにあるのだろう。決めるべきところで決める名役者が、チームに大きな光を灯したのだ」

 スコアを1-1とされたあとの鹿島の猛攻を「絶え間ない突風が吹き荒れた」と形容し、それを耐え凌いだ広州恒大の選手たちに対しては「疲労が頂点に達するなかでも堂々と戦い抜いた。11人のカンナバーロだったと評していいほど、誰もが不屈の精神を宿していた」と褒めちぎり、チームを率いる元イタリア代表DF、ファビオ・カンナバーロ監督を引き合いに出した。そしてラストプレーでレオ・シルバの定的なシュートを捨て身のブロックで防いだDFガオ・ジュンイーには「奇跡のクリアだった。長く語り継がれるシーンになるだろう」と称えている。

 
 とはいえ同紙は、「やはり日本でのアウェーゲームは鬼門のままだった」と綴る。今季のACLで中国クラブは日本で11試合を戦い、今回の引き分けを含めて2分け9敗という結果。最後は「浦和との準決勝では、ホームでも埼玉スタジアムでもきっちりと勝利を収め、ファイナルの舞台に進んでもらおう」と期待を込めた。
 
 ディフェンディングチャンプを撃破して意気上がる広州恒大と浦和の準決勝は、10月2日に第1レグが埼玉で、同23日に第2レグが広州で開催される予定だ。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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