21年前の有名なベッカム退場劇。オーウェンが「あのあとヴィクトリアに噛み付かれて…」と衝撃告白!

2019年09月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

「時代の寵児と大衆の敵」という好対照

1998年W杯、イングランド対アルゼンチン戦。オーウェン(右)はベッカム(左)のお膳立てでスーパーゴールをねじ込んだ。その後チームは……。(C)Getty Images

 元イングランド代表の名ストライカー、マイケル・オーウェン。39歳となった彼は先日、自伝『Reboot - My Life, My Time』を上梓したが、これが大なり小なりの波紋を広げている。
 
 例えばそのなかで、ニューカッスル入団時の想いをリバイバルさせ、「本当はリバプールに戻りたかったんだ」と暴露。これをいじってきた同胞の先輩アラン・シラアーとツイッター上で舌戦を繰り広げるに至り、英タブロイド各紙の見出しを飾った。
 
 そして今回は、1998年フランス・ワールドカップでの名場面を回顧した。ラウンド・オブ16のイングランド対アルゼンチン戦だ。自身がセンセーショナルな一撃で一気にスターダムを駆け上がったゲームだが、オーウェンが『Mirror』紙で明かしたのは、かの有名な退場劇にまつわるエピソードだ。
 
 2-2で迎えた47分だった。イングランドのデイビッド・ベッカムがディエゴ・シメオネに対して軽率な報復行為に及び、一発退場を食らってしまう。チームはなんとか延長戦まで10人で耐え抜いたが、PK戦の末に敗れた。イングランド中で「ひとりの愚か者と、10人に獅子たち」という名文句が謳われた、フットボール史に残る出来事である。

 
 大会後、18歳のオーウェンは時代の寵児となって超が付く人気者に押し上げられた一方で、23歳のベッカムは文字通りパブリック・エネミー(大衆の敵)に成り下がり、苦渋の日々を過ごした。オーウェンは21年前の当時をこう振り返っている。
 
「簡単に言えば、僕が新たなヒーローで。デイビッドは最低の悪役といった対比だった。でも正直な話、試合後のロッカールームで彼を非難する声は上がらなかったんだ。文句を言ったところで敗北した事実は変わらないからね。みんなただ、落ち込んでいたよ。デイビッドを励ます者がいなかったのもたしかだけど……」
 
 若くしてスーパースターとなったオーウェン。大会から数週間後、ひとりの女性がコンタクトを取ってきた。ほかでもない、当時のベッカムの婚約者で現在の妻、ヴィクトリア・ベッカムである。まだスパイス・ガールズの"ポッシュ"として名を馳せていた頃だ。オーウェンは面を食らったという。

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