マンC、総シュート数30本もトッテナムの堅守に苦戦。ハイレベルな戦いは“またも”VARが物議に――

2019年08月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

トッテナムは効率よく得点を重ねる

途中出場のルーカスのゴールで追いついたトッテナムに対し、シティは交代策が実ることがなかった。 (C) Getty Images

 現地時間8月17日、プレミアリーグ第2節が行なわれ、マンチェスター・シティとトッテナム・ホットスパーが対戦した。

 今節注目の上位対決は、キックオフ直後からエンジン全開といった様子で攻勢に出たシティが序盤戦に主導権を握る。押し込まれたトッテナムだったが、中央を締めて、焦ることなく応戦した。

 その後も攻めるシティと守るトッテナムという両軍の構図がハッキリとしたなかで試合は進行する。そのなかで均衡を破ったのは、サイドを巧みに使った前者だった。

 20分、右サイドからデ・ブルイネがアーリークロスを供給。これをファーサイドに走り込んでいたスターリングがヘディングで合わせて、名手ロリスの守るゴールを破った。

 シティが先行したことで、一気に試合の流れが傾くかと思われたが、トッテナムが失点から3分後に振り出しに戻す。敵バイタルエリアでくさびのパスを受けたラメラが左足一閃。狙いすましたシュートは見事にゴール左下隅を射抜いたのだ。

 タイスコアとなって再び一進一退の攻防が続いたが、シティの主砲が次点をもぎ取る。35分、味方との連係で右サイドを突破したデ・ブルイネが放ったグラウンダーのクロスをニアサイドでアグエロが合わせた。
 

 ハイペースを落とさずに攻勢に出続けたシティは、自陣に釘付けとなったトッテナムから主導権を握って、ハーフタイムに突入した。

 迎えた後半も積極果敢なフォアチェックに出たシティが主導権を握る。一方のトッテナムは相手の猛攻から逃れる術を見出せずに敵陣へとボールを運べないもどかしい時間が続いた。

 ワンサイドゲームを展開し続けたプレミア王者は、鮮やかなパスワークから矢継ぎ早にチャンスを創出。49分にジンチェンコ、51分にデ・ブルイネ、さらに54分にB・シウバと次々に惜しいシュートを放つ怒涛の攻撃をみせた。

 劣勢に立たされたトッテナムは56分にルーカスを投入すると、この交代策が的中する。交代直後、右からのCKでルーカスがニアサイドでヘディングシュート。これが見事にゴールへ吸い込まれて同点としたのだ。

 昨シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝での"奇跡"の逆転劇を呼び込んだブラジル代表MFのゴールで追いついたトッテナム。一方、圧倒的に攻め込みながら再びタイスコアにされてしまったシティは、66分に運動量が落ちかけていたアグエロを下げてG・ジェズスを投入し、攻撃のギアを入れる。

 シティは総シュート数で30対3と大きく相手を上回るも、トッテナムの堅牢を突き崩せずにいたずらに時間を浪費。優位に立っていたホームチームは、次第に焦りの色を濃くしていった。

 78分にシルバ、80分にマハレズと攻撃的なカードを切っていったシティだったが、我慢強く戦い続けたトッテナムから決勝点を奪えず……。そんななかで後半アディショナルタイム4分に物議を醸す出来事が起きる。

 右からのCKでルーズボールを拾ったG・ジェズスが値千金の決勝点を豪快にねじ込んだように見えたが、直前にボールを競ったラポルトがVARの末にハンドを取られ、ノーゴールの判定に覆ったのだ。

 結局、試合は2-2のドローで決着。昨シーズンのCL準決勝でもVAR判定が物議を醸した両雄の対戦は、またも最先端の技術の下した判定によって結果を左右されることになった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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