【マッチレポート】日本 2-1 オーストラリア|4-2-3-1への変更で流れを掴み、アジアの宿敵に快勝!

2014年11月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

攻撃の機能不全とともに、前半途中にシステムを変更。

 日本代表は11月18日、ヤンマースタジアム長居でオーストラリア代表と対戦。今野、岡崎の2ゴールで、2-1と快勝。アジアカップ前の最後の試合で、日本は会心の勝利をもぎ取った。
 
 ハビエル・アギーレ監督は、負傷欠場の内田篤人を除き、ホンジュラス戦と同じ顔ぶれをピッチに送り込んだ。GKは川島永嗣、最終ラインは右SBに酒井高徳が入り、CBは右に吉田麻也、左に森重真人、左SBには太田宏介が起用された。中盤はアンカーに長谷部誠、インサイドハーフに香川真司と遠藤保仁。3トップは右から本田圭佑、岡崎慎司、武藤嘉紀と並んだ。
 
 ほぼ同じ顔ぶれのなかで、前戦と異なったのは香川真司の位置取りだ。ホンジュラス戦では、左のインサイドハーフでスタートした背番号10はこの日、右のインサイドハーフにポジションをとった。4日前に好連係を見せた本田とより近い位置でのスタートとなった。
 
 日本は立ち上がり、オーストラリアの最終ラインを積極的に突いていった。8分に武藤が左サイドを突破。折り返しのボールは香川につながらなかったが、直後の9分に、今度は吉田から本田、遠藤、酒井とつないで右サイドを破り、チャンスを作り出す。
 
 16分には太田のクロスに武藤がヘディングで合わせ、オフサイドにはなったもののバー直撃のシュートで相手ゴールを脅かした。
 
 しかし、前半半ば過ぎからはオーストラリアの出足の鋭い守備にテンポのいいパス回しが鳴りを潜める。相手のブレスにうまくはめられてしまい、パスミスやインターセプトされる場面が多発。攻撃が機能不全に陥り、オーストラリアに主導権を握られる時間帯が続いた。
 
 それでも日本は、33分過ぎに4-3-3から、香川をトップ下に、遠藤をボランチに配した4-2-3-1にシステムを変更して流れを変える。前半の終盤には香川、本田のキープ力を軸に反撃を見せ、オーストラリアの最終ラインを脅かす場面も作り出した。一進一退の攻防が続いた前半は、結局スコアレスで終了した。
 
 日本は、後半開始から遠藤に代えて今野泰幸を投入。49分、その今野がパスカットから決定機を作り出す。奪ったボールをそのまま持ち上がり、中央の香川へ。その香川の左足から放たれたシュートはGKの正面を突いてしまったが、その後も日本はオーストラリアの縦への鋭い攻めを凌ぎつつ、チャンスを生み出していく。
 
 59分には、大きなサイドチェンジから酒井にボールが渡ると、そのクロスに途中出場の乾貴士がヘディングで合わせる。しかし、シュートはわずかにバーの上に外れた。絶好機を逃したものの、日本はここから一気に流れを引き寄せる。
 
 61分、右サイドでCKを得ると、本田のキックは混戦をすり抜け、そこにフリーで待ち構えていたのは今野。落ち着いて頭で合わせ、ゴールネットに突き刺した。さらに先制点から7分後の68分には、セットプレーの流れから森重が右サイドをドリブルで突破する。巧みな股抜きで敵ひとりをかわし、岡崎へラストパス。このボールを「気持ちで押し込んだ」という岡崎が、右足のヒールで"華麗に"ゴールへ流し込んだ。
 
 2ゴールを奪った日本は、ケイヒル、ブレッシャーノとベテラン勢を投入し、攻撃に転じようとするオーストラリアの勢いをいなし、遅攻と速攻をうまく使い分けたサッカーを展開。攻守のバランス良く、堅い守備からチャンスを量産した。
 
 しかしアディショナルタイムに入った終盤、日本は一瞬の隙を突かれ、左サイドのクロスからケイヒルに頭で合わせられ、ゴールを許してしまう。ラスト1分での失点は、今後に向けた課題と言えそうだが、日本はシステム変更で流れを掴み、アジアのライバルを相手に2-1で快勝を収めた。
 
 アギーレ監督は、「楽ではないが、我々の目的はアジアのタイトルを獲ることだ」と、1月のアジアカップに向けて、決意を新たにした。

【ゲームphotoギャラリー】 日本 2-1 オーストラリア
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