イタリア・セリエA移籍が囁かれた鎌田大地、チーム内での評価上昇でフランクフルト残留か?

2019年08月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

プレシーズンの結果で、指揮官の構想に入った模様

プレシーズンマッチでゴールを決めるなど好調をアピールしている鎌田。EL予選2回戦ではトップ下でフル出場を果たした。 (C) Getty Images

 イタリア・セリエAのジェノアへの移籍が取り沙汰されていた鎌田大地だが、一転、フランクフルトに残留する可能性が高まってきたようだ。

 昨季はベルギーのシント=トロイデン(STVV)で公式戦36試合に出場し、16ゴール・9アシストと結果を残し、日本代表にも初選出。評価を高めた22歳のアタッカーは、今夏にフランクフルトに復帰した。そして、プレシーズンマッチでゴールを決めるなど、好調ぶりをアピールし、指揮官アディ・ヒュッターに「別人のように成長した」と高評価を得ていた。

 しかし、先日セリエAのジェノアへの移籍が報じられ、クラブ間で基本合意に達したとみられていた。現地メディアは7月下旬の時点で、「そろそろメディカルチェックのためにイタリアに来る」と伝えており、新天地はイタリアになるのではないかという見方が強まった。

 そんななか、現地時間8月1日に行なわれたヨーロッパリーグ(EL)の予選2回戦第2レグが行なわれ、フランクフルトはフローラ(エストニア)と対戦。鎌田はフル出場し、アグリゲートスコア4-2での3回戦進出に貢献した。

 この試合にトップ下でフル出場した鎌田について、フランクフルト紙『Hersfelder Zeitung』は「カマダは監督の考える攻撃のオプションのひとつとして機能した。欲を言えばアシスト、ゴールが欲しかったが、存在感は発揮していた」と高評価。

 地元紙『Frankfurter Rundschau』も「アイントラハトの"遊び心"をクリエイトしていたのが彼だ。磨かれたテクニックと鋭いシュート。トレーニングから好調だった男はその印象をより良い方向に積み上げている。ただ、"危険な存在"となるまでには物足りなさも残る」と課題を指摘しつつも、一定の評価を与えた。

 試合後、ヒュッター監督も「彼のクオリティーは素晴らしい。残留させたいと思っているし、そうなると思う」とコメントした。

 イタリアへ向かうかと思われた鎌田が一転してフランクフルトに残留に傾いている背景には、補強が思うように進んでいないことが感がられる。ルカ・ヨビッチ(レアル・マドリーへ)、セバスティアン・アレ(ウエストハムへ)ら前線の主力が引き抜かれ、その後釜として復帰寸前だったサッスオーロのケビン=プリンス・ボアテングは、7月31日に急遽フィオレンティーナへ移籍。獲得に至らなかった。

 そのため、指揮官からの評価が高い鎌田をクラブに残留させる方向で話が進んでいるようだ。3日に公式サイトで発表されたEL予選3回戦ファドゥーツ(リヒテンシュタイン)戦に臨む登録選手25人にも、もちろん鎌田の名前は含まれている。

 クローズするまで何が起こるか分からないのが移籍市場とはいえ、鎌田がブンデスリーガでプレーする可能性は高まってきたと言えるだろう。

 EL予選3回戦は8月8日に第1レグ、15日に第2レグが行なわれ、これを勝ち抜けばプレーオフに進出が決まり、本選への切符が近づくことになる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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