【転身したサッカー選手たち】プロレスラーへの第一歩を踏み出したヴィーゼ

2014年11月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

ティム・ヴィーゼがWWEのリングに。「ノックス」に続くか!?

WWEといえば観客を煽るマイクパフォーマンスも必要。ヴィーゼは現役時代、あのオリバー・カーンにも喧嘩を売るほどの気の強さとビッグマウスの持ち主だっただけに、その点でも適役かも。 (C) Getty Images

 かつてカイザースラウテルン、ブレーメン、ホッフェンハイムのゴールマウスを守り、ドイツ代表として2010年南アフリカ・ワールドカップにも出場した経歴を持つティム・ヴィーゼ。今年1月に現役を引退した後、プロレスラー転向のニュースが流れていた。
 
 そして15日、アメリカ最大のプロレス団体「WWE」の欧州ツアーで、ついにプロレスのリングに上がった。もっとも、今回は契約問題もあってタイムキーパーという役割での登場であり、予定されていたトライアウトを兼ねての試合は組まれなかった。
 
 しかし、レスラーの挑発に上着を脱ぎ、鍛え上げられた肉体を披露しながら応戦しようとするなど、早くもレスラーらしいパフォーマンスでフランクフルトの観客を沸かせていた。上層部も「カリスマ性がある」と評価しているようで、この先が楽しみである。
 
 サッカー選手からプロレスに転向した例といえば、イングランドの下部リーグでプレーしていたスチュアート・トムリンソン。ヴィーゼ同様にGKだったが、健康雑誌の表紙を飾った際、これを見たWWEの上層部からスカウトされた。これまでトレーニングに励んでいたが、今月8日、「ヒューゴ・ノックス」のリングネームで晴れてデビューを果たしている。
 
 プロレス以外の格闘技でいえば、2年前にブラジルの"怪物"ロナウドが総合格闘家になるべくトレーニングに励んでいるというニュースが駆け巡ったが、日本ではブレーメンユースを経てヴィッセル神戸などでプレーした矢野マイケルが04年からキックボクサーとして試合を行なった。
 
 余談だが逆のパターンで、K1にも出場したムエタイ選手のプアカーオが母国タイの2部リーグに属するクラブに加入したり、同じくムエタイのスッドサコーンもプロサッカーへの転身を宣言したことがある。同じ発言は陸上短距離の「世界一速い男」ウサイン・ボルトもしており、実際にあのマンチェスター・ユナイテッドが接触したことがニュースにもなった。
 
 格闘技以外では、ミランで一世を風靡したウクライナ人ストライカー、アンドリー・シェフチェンコがプロゴルファーとなり、大会にも出場。ゴルフといえば、日本では元日本代表の磯貝洋光もプロを目指していた。
 
 また驚くところでは、2002年日韓ワールドカップでブームを起こし、後に神戸に短期間在籍したトルコのイルハン・マンスズはフィギュアスケートでソチ冬季五輪出場を目指し、国際大会にも出場した。目標達成は成らなかったものの、この挑戦の過程で人生のパートナーを手に入れたという。
 
 90年代にアメリカ代表のGKを長く務めたトニー・メオラは少年時代、野球選手として将来を嘱望され、あのヤンキースがドラフト指名を検討したほどだったが、サッカー不毛の国でこの競技の発展に貢献。後にプレースキック専門の選手としてアメリカンフットボールの最高峰NFLに参戦し、さらにその後は俳優、ドラマーでも活躍するなど、多才さを披露した。

次ページサッカー選手の大多数は引退後に他の世界への活動を強いられる。

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