「ウッドゲイトになるな!」“リーガ史上20人目のイングランド人”トリッピアーに英紙が送った独特すぎるススメとは?

2019年07月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

50試合以上プレーしたのはたったの4人だけ

アトレティコの入団発表会見で満足げな表情を浮かべるトリッピアー。リーガで活躍するために必要なこととは? (C)REUTERS/AFLO

 日本代表の久保建英や安部裕葵の挑戦で注目が集まっているラ・リーガに、イングランドのサッカーファンたちの目も向けられている。今夏の移籍市場で、トッテナムのキーラン・トリッピアーがアトレティコ・マドリーへ移籍したからだ。

 現地時間7月17日にアトレティコと3年契約を締結。移籍金は公表されてはいないが、英公共放送『BBC』によると2000万ポンド(約28億円)と見られている。

 トリッピアーの挑戦は、茨の道を進むことになるかもしれない。過去にスペインに挑戦した19人のイングランド人選手のうち、1部で50試合以上プレーしたのはたったの4人だけで、ほとんどが目立った活躍もできないまま、帰国の途についている。

 ただ、トッテナムの主力という地位を捨てて、文化もサッカーのスタイルも全く違う異国の地でチャレンジする決断を下した28歳のイングランド代表DFに、英国内では期待の声が高まっている。

 そんななか、トリッピアーに"アドバイス"を送ったのは、英紙『The Sun』だ。過去にリーガに挑戦したイングランド人プレーヤーを引き合いに、活躍するためのヒントを紹介している。

 まず訴えたのが、「ウッドゲイトになるな!」だった。2004年8月から3年間に渡ってレアル・マドリーに在籍したジョナサン・ウッドゲイトのことだ。

 この元イングランド代表DFは、当時としては高額の2000万ポンド(約28億円)で加入するも3年間で9試合(ラ・リーガ)の出場に留まり、各国メディアから「史上最悪の契約」とバッシングを受けた。

 同紙は、まるで「そんな先達の二の舞にはなるな」と言わんばかりの警鐘を鳴らし、「キーラン、まずはリラックスだ。ひとつ深呼吸してくれ。そして、感動しただけで満足はしないでほしい」と綴っている。

 成功例からの"ススメ"もある。デイビッド・ベッカム(レアル・マドリー)とガリー・リネカー(バルセロナ)、いずれも100試合以上(前者は116試合、後者は103試合)に出場したふたりの名手が成功した秘訣を、次のようにまとめている。

デイビッド・ベッカム
「ベッカムは失敗を恐れずにクロスボールやプレースキックを蹴り続け、サンティアゴ・ベルナベウで確かな価値を証明した。昨夏のワールドカップでイングランドを救うキックを見せたトリッピアーも恐れてはいけない」

ガリー・リネカー
「バルセロナのファンが彼を愛した唯一の理由は、その目覚ましい得点能力にある。103試合の出場でイングランド人史上最多の42ゴールを挙げたレジェンドは、コパ・デル・レイとカップウィナーズカップの優勝に貢献した」

 そして、最後に『The Sun』が「最も重要なこと」として例に出したのが、トリッピアーと同じ28歳でリーガに挑戦したヴィニー・サムウェイズだ。

 1996年から2003年までラス・パルマスとセビージャで活躍したサムウェイズについて、「彼は公式戦160試合に出場し、クラブの歴史に名を刻んだ」と紹介。そして、活躍した要因を次のように紐解いた。

「好きになってもらうことは簡単なことではないが、何よりも重要だ。その点、サムウェイズはチームに対して忠誠心を持ち、ラス・パルマスのファンからは『偉大なカピタン』と呼ばれるほどに愛された。トリッピアーもチームのために尽くす気持ちを忘れてはならない」

 果たして、トリッピアーは本領を発揮できるのか。それとも、例に漏れずこのチャレンジは失敗に終わるのか。そのパフォーマンスに注目が集まっている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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