宇佐美の豪快ヘッドが炸裂! 土壇場で宮本ガンバが追いつき、名古屋は痛恨の9戦白星なしに

2019年07月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

敗色濃厚のなかでキラリと輝く!

迷いなき強力ヘッダーでG大阪に1ポイントをもたらした宇佐美。さすがの存在感を示した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ第20節]名古屋 2-2 G大阪/7月20日/豊田ス

 4連敗中にして8戦勝利なし(2分け6敗)の名古屋グランパスが、ファン・ウィジョや今野ら大量6選手の退団で揺れるガンバ大阪をホームで迎え撃った。

 名古屋は今夏新加入の太田、抜擢登用の18歳・藤井が先発を飾る一方、今週水曜日のトレーニングで米本が全治3か月の大怪我を負う緊急事態に見舞われた。G大阪は3年ぶりに古巣復帰を果たした宇佐美が2トップの一角を担い、オランダ・トゥベンテへの期限付き移籍が決まった中村がスタメンに名を連ね、ラストゲームに臨んだ。

 J1では過去3戦、すべて風間グランパスが「3-2」で勝利しているカードは、やはりのっけから、両者ともにアグレッシブさを前面に押し出す展開となった。

 開始4分、名古屋がいきなり均衡を破る。敵陣深くでパスカットに成功したE・ネットが、ジョーとのワンツーから抜け出して中央へパス。ドフリーの前田が難なくゴールに蹴り込んだ。するとその4分後だ。今度はG大阪があっさりと追いつく。遠藤のロブパスに飛び出したアデミウソンが相手GKランゲラクと接触、すかさずこぼれ球を拾って無人のゴールに左足で流し込んだ。

 攻守が目まぐるしく変わるオープンなゲーム。22分にG大阪が高速カウンターから宇佐美が豪快ショットを放てば、24分に名古屋も負けじとシミッチのクロスにジョーが至近距離ヘッドで狙う。攻撃に手数を掛けず、局面でのデュエルが激しく、シュートが実に多い熱戦。満員に膨れ上がった豊田スタジアムのボルテージを高めた。

 ただ、26分過ぎにスタジアム照明のチェックで一時中断が入ると、ややゲームのテンションが低下。ともにポゼッションを大事にしながら敵の出方を窺い、高い位置でのプレッシングも抑えめで、落ち着いた攻防戦を見せるようになる。

 膠着した状態のなか、勝ち越し点を挙げたのが名古屋だ。44分、左サイドの和泉が低弾道の鋭いクロスを中央に送り、ニアのジョーには合わなかったものの、背後にいた宮原が果敢なスライディングシュートで応え、GK東口の牙城を破った。

 
 ふたたびリードを奪った名古屋は、細かくショートパスを繋ぐG大阪の攻撃を受け止めながら、効果的なショートカウンターを頻発させていくなど、あくまで攻めの姿勢を崩さない。とはいえ、どちらもなかなかシュートに至らず。G大阪が56分に負傷の中村に代えて小野瀬を、名古屋が61分に前田に代えてG・シャビエルを投じるも、前半とは打って変わって、ゲーム自体のテンポは上がらないままだった。

 しびれを切らしたG大阪の宮本監督は69分、遠藤を諦めて食野を前線に投じ、スクランブルを仕掛ける。にわかに攻勢を強め、名古屋DF陣のラインを押し下げたが、それでもエリア内にボールを運べない。名古屋の風間監督はエースのジョーを下げて長谷川を中盤に投じ、中盤の構成力と守備の強度アップに努めた。

 しぶとく対応した名古屋がこのまま逃げ切るかと思われたが──。アディショナルタイム3分だった。帰ってきた千両役者がG大阪を救う。右サイドからのクロスに豪快ヘッドで応えたのは、それまで流れから消えてきた宇佐美だった。

 試合はこのままタイムアップ。名古屋にとっては痛恨のドロー劇で、大声援でチームを後押しした豊田スタジアムのサポーターに9試合ぶりの白星をプレゼントすることはできなかった。かたやG大阪はJ1における対名古屋戦の連敗を3でストップ。次に繋がる価値ある1ポイントを奪取した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【名古屋 2-2 G大阪 PHOTO】復帰後初試合で豪快ヘッドを決めた宇佐美がチームを救う!!!名古屋は9試合ぶりの白星をつけれず…
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