【川崎】チームメイトも感嘆。ラスト10分での出場でチェルシー撃破へ導いた“職人”中村憲剛の輝き

2019年07月20日 本田健介(サッカーダイジェスト)

大きな仕事をこなしMVPも獲得

チェルシー戦でのMVPに輝いた中村。短い出場時間ながら貴重な仕事をこなした。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[ワールドチャレンジ2019]川崎1-0チェルシー/7月19日/日産スタジアム

「さすがですね。あの時間であんなに良いパスを出すのはやっぱり凄いです」

 小林悠が驚きの声を挙げれば、谷口彰悟も賛辞を贈る。

「少しの時間で仕事して、ヒーローになるんだからさすがです」

「明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2019」と題し、川崎とイングランドの強豪チェルシーが対戦したゲームで、川崎を1-0の勝利に導いたのが、83分からピッチに立った司令塔、中村憲剛だった。

 残り約10分となったゲームの最終盤、スタジアムが大きな歓声に包まれる。背番号14番の登場は会場のボールテージを上げ、多くの期待を背にしたその姿はまさに千両役者と呼べる佇まいだった。

「相手の左SBのところ、裏が空いていたので」とベンチから狙いどころを定めていたという男は、投入直後にいきなり右SBの馬渡和彰に山なりのスルーパスを通してチャンスを演出し、その後も好機を作り出す。そして85分には決定的な仕事をこなした。セットプレーの流れで左サイドからフワリとしたクロスを逆サイドのレアンドロ・ダミアンの頭に合わせ、決勝弾をアシストしてみせたのだ。
 
 10分ほどの出場時間にも関わらず、この試合のMVP獲得に本人は「皆はずるいと言っていました」とおどけてみせるも、その仕事ぶりはまさに"持っている男"にしかできないものだった。

「小さくない勝利。ただもっとやんなきゃいけないと思うには、十分な試合だったとも思う。これから若い選手がどう感じて、どう進むかが大事。4年前(ドルトムントと対戦し0-6で大敗)に僕らも前に進んだので、それが去年、一昨年(のリーグ連覇)につながった。3連覇に向けて進化するには有意義な試合というのはおかしいですが、そういう試合だったと思います」

 この日、誰よりも輝きを放った男は、チームのさらなる成長を誓いながら、充実の表情を浮かべていた。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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