「若くて優秀な選手たちに勝つため」東京五輪出場を目指す本田圭佑、古巣VVVのインタビューで“宣戦布告”

2019年07月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

「代理人の兄が複数のクラブとコンタクトを取っている」

古巣VVVの公式インタビューに応じた本田。台頭する若手と競うためにより高いレベルでの戦いを望むと語った。 (C) Getty Images

 古巣であるオランダ1部のVVVのトレーニングに参加している本田圭佑が、"復帰"にあたり、クラブの公式インタビューに応じた。

「日本でトレーニングに適したクラブが見つからなかったので、VVVのゼネラルマネージャーのマルコに連絡を入れたんだ。一緒にトレーニングさせてくれないかと訊ねたら、受け入れてくれてね。

 市内に僕がいた頃(09年)にはなかったような高いビルが建っていて、とても驚いた。こうやって戻って来ることができて、本当に感謝している。こんな風に、チームが新しいシーズンに向かって準備を進めているなか、受け入れてもらえるのは、決して普通なことじゃない」

 同時に本田は、「トップレベルの競争に挑みたい」と語り、VVVでプレーするつもりはないことも明かしている。

「僕の目標は東京オリンピックに参加すること。それはオーバーエイジ枠で叶う夢だ。けれど、ヨーロッパにはいま、優秀な日本人、日本代表の選手たちがたくさんいる。僕は彼らを倒す必要がある。彼らと競うためには、より高いレベルでプレーしなければならないと思っている」

 東京五輪のオーバーエイジ枠は最大3人と狭き門だ。本田は、待望論が囁かれている柴崎岳(デポルティボ)や中島翔哉(ポルト)らとその座を争わなくてはならない。

 そもそも、東京五輪世代には、ともにスペイン屈指の強豪の門を叩いた久保建英(レアル・マドリー)と安部裕葵(バルセロナ)や、オランダで結果を残した堂安律ら優秀なアタッカーが揃っており、その俊英たちとも競争することになるのだ。

 本田自身は、プレミアリーグ、ラ・リーガ、もしくはブンデスリーガでのプレーを希望しているという。ただ、それが簡単ではないことも理解していると話す。

「僕の兄が代理人をしているので、いま、複数のクラブとコンタクトをとっている。僕はその結果の知らせを待っている状況だ。もちろん、簡単なことではない。僕はもう若くないし、給料も安くない。そして、カンボジア代表監督を兼任している。簡単にまとまる話ではないことも理解している」

 そう意気込む本田に対し、インタビュアーは「君は常にエネルギッシュだ。そんな君にとってVVVでの思い出は素晴らしいものか?」と訊ねた。すると、「すべてが素晴らしく噛み合っていた。1年とちょっとだけど、生涯忘れない期間だ」と語ったあと、「でも僕がいたのは10年以上前だから誰も覚えてないでしょ?」と肩をすくめておどけた。

 だが、かつて1部昇格の立役者となった本田は、その姿がクラブハウスの壁画に大きく描かれるなど、レジェンドと言っても過言ではない存在だ。そうインタビュアーに教えられた本田は、「素晴らしいよ」と語り、感慨深そうに壁画を見つめた。

 夢を叶えるため、我が道を突き進む本田圭佑。その飽くなき情熱はまったく衰えていないようだ。 

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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