グリエーズマン、アトレティコの“強制帯同命令”を拒否!1億2000万ユーロの契約解除金は自ら支払いへ

2019年07月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

早ければ、今週金曜日にバルサ移籍決定へ

バルサ移籍を巡ってアトレティコとの交渉が泥沼化しているグリエーズマンは、その問題の解決に自ら動くことを決めたようだ。 (C) Getty Images

 フランス代表FWのアントワーヌ・グリエーズマンは、泥沼化の様相を呈している自身の契約問題に、自ら終止符を打つ決断を下したようだ。

 今年5月に5シーズンもの蜜月の時を過ごしたアトレティコ・マドリーを退団することを発表したグリエーズマン。その移籍先は昨夏にも獲得寸前まで至っていたというバルセロナになると見られていた。

 しかし、今月5日に動向を巡る展開が一変。アトレティコがグリエーズマンの移籍に関するバルサ側の一連の対応を批判する公式声明を発表したのだ。

 声明によれば、グリエーズマンは首脳陣に対して、5月14日に今シーズン限りで退団する意思を伝えていたが、実際のところは3月にバルサ合意に達していたというのだ。しかも、交渉が始まったのは2月中旬で、この時、チームはユベントスとのチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝トーナメント1回戦・第2レグを目前に控えていた。

 同時期にアトレティコは、ラ・リーガでほかでもないバルサと優勝を争っており、「シーズン中に契約関係を破る行為をしたことに対し、両者(バルサとグリエーズマン)、とくにバルサの行動に強く抗議する。ルールに違反して選手と交渉し、スポーツにおける基本的原則を破り、我々と何百万人というファンに大きな損害を与えた」と訴えたのだ。

 さらにバルサが7月1日より2億ユーロ(約250億円)から1億2000万ユーロ(約150億円)に下がっているグリエーズマンの契約解除金の支払いの分割にすることを求めたと批判したアトレティコは、同選手に対して、7日から始まるチームの練習に参加することを義務付けた。

 しかし、すでにアトレティコ退団を決意したグリエーズマンは、7日の練習に姿を見せず、同日午後8時30分からの首脳陣との話し合いの場にも来なかったという。

 スペイン紙『Marca』によれば、グリエーズマンは弁護士を介して、アトレティコに対して自ら1億2000万ユーロの契約解除金を支払うと申し出たようだ。

 この手法は2017年8月にネイマールがバルサからパリ・サンジェルマンに史上最高額の2億2200万ユーロ(約272億円)で移籍した際にも取られた、いわば常套手段。選手本人が金額を負担するのではなく獲得クラブが持つスキームだ。『Marca』もグリエーズマンに対して、バルサが今後数日中に契約解除金を用意することを報じている。

 さらにバルセロナに拠点を置く全国紙『Mundo Deportivo』によれば、バルサは現地時間10日の水曜日までに全てのオペレーションを済ませる予定で、翌日にはグリエーズマンの移籍を正式にリリースし、今週の金曜日にカンプ・ノウでの入団会見を開くことを目論んでいるという。

 今月には日本でのプレシーズンツアーを開始するバルサ。果たして、グリエーズマンは、それまでにブラウグラーナ(青とエンジの意)のユニホームに腕を通しているのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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