ブラジルに0-5で大敗も快進撃は必然? ペルーを44年ぶりのコパ・アメリカ決勝に導いたのは南米屈指の名将だ!

2019年07月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

ブラジルとの雪辱戦に燃える名将!

現在61歳のガレカは、現役時代にマラドーナともプレーした名手として知られる。その経験が指揮官として活きているのかもしれない。 (C) Getty Images

 ペルーが下馬評を覆す躍進を遂げている。

 現地時間7月3日に行なわれたコパ・アメリカ準決勝で、チリと対戦したペルーは3-0で完勝。二度目の優勝を果たした1975年以来、44年ぶりにコパ・アメリカのファイナリストとなった。

 21分にエディソン・フローレスが先制点、38分にジョシマール・ジョトゥンが追加点を挙げて、主導権を握ったペルーは、後半アディショナルタイム1分にパオロ・ゲレーロがダメ押し点を決めて趨勢を定めた。

 開幕前に、このペルーの快進撃を予想した者は多くなかった。『ワールドサッカーダイジェスト』の6月20日号に展望を寄稿した『Movistar Deportes』のホルヘ・メゴ・ロハス記者も、「継続的な強化とチームのまとまりには好印象」としつつ、「この大会は厳しい現実を突きつけられそうだ」と悲観的な見方をしていた。

 しかしペルーは、そうした戦前の下馬評を覆し、望外とも言える決勝進出を果たした。その主因のひとつに挙げられているのは、"エル・ティグレ(虎)"の愛称を持つアルゼンチン人指揮官の手腕だ。

 現役時代に名門ボカ・ジュニオルスで鳴らした名FWだったガレカは、99年に母国の古豪タジェレスをコパ・スダメリカーナ優勝に導くなど、南米クラブを転々としながら声価を高めてきた名将だ。
 
 15年2月の就任以降、ペルー代表でも着実に強化を進め、同年のコパ・アメリカで3位入賞したのを皮切りに、翌年のコパ・アメリカ・センテナリオでもベスト8に進出。さらに2018年のロシア・ワールドカップには36年ぶりの本大会出場を果たし、40年ぶりの勝利を挙げた。

 今大会、ペルーは決して平坦な道のりを歩んではいない。グループAの最終節ではブラジルに0-5の大敗を喫し、なんとか3位で決勝トーナメントに進むような状態だった。だが、ガレカの下で結束は乱れず、準々決勝でウルグアイをPK戦の末に破ると、準決勝で前回王者を撃破したのである。

 現役時代に培った自身の経験則をゲレーロやジェフェルソン・ファルファンといったアタッカーたちに叩き込み、腰を据えて強化を図ってきたガレカの地道な指導が、ついに実ったと言えるかもしれない。

 チリ戦後の記者会見で指揮官は、完敗したブラジルへのリベンジマッチとなる決勝戦へ向けて、意気込みを力強く語っている。

「ブラジルは世界一のチームだが、決勝に進んだ以上、勝つ以外の選択肢はない。ここ(決勝)での戦いは全く色合いが違う。しかし、我々はあらゆる困難を克服して勝つことに成功した。多くのストロングポイントあるし、逆境に直面しても負けない強さを持っている。とにかく勝つことしか考えていない」

 果たして、快進撃を続けるペルーは、ガレカ監督とともに44年ぶりの南米王者に返り咲けるのか。ホスト国ブラジルとの決勝戦は、現地時間7月7日に開催される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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