ピルロ、ポグバ、D・アウベス、ラビオ…過去10年にユーベが“タダ”で引き抜いた名手たち! 特筆すべきポイントは?

2019年07月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

ネドベドら首脳陣のスカウティング術の賜物

ピルロ(右上)やポグバ(左上)、D・アウベス(左下)と数多くの名手たちをフリーで獲得してきたユーベは、新たにラビオもタダで引き抜いた。 (C) Getty Images

 現地時間6月30日、ユベントスはパリ・サンジェルマンに所属していたフランス代表MFのアドリアン・ラビオの獲得を内定させた。

 昨年12月にパリSGとの契約延長を断ったことで、クラブ上層部の反感を買って、構想外状態となり、出場機会を失っていたとはいえ、複数のメガクラブが獲得を目指した24歳の有望株を移籍金ゼロで引き抜けたのは、戦力の拡充を図るユーベにとってポジティブに働くだろう(手数料として1000万ユーロ=約13億円を代理人である母親に支払う見込み)

 ユーベではこれまでも、フリーで引き抜いた名手たちが、チームに繁栄をもたらしてきた。以下は、過去10年にフリートランスファーで獲得してきた主な選手たちだ(※チーム名は前所属)。

2009年
ファビオ・カンナバーロ(元イタリア代表DF)
←レアル・マドリー(スペイン)

2011年
アンドレア・ピルロ(元イタリア代表MF)
←ミラン

2012年
ポール・ポグバ(フランス代表MF)
←マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)

2013年
フェルナンド・ジョレンテ(スペイン代表FW)
←アスレティック・ビルバオ(スペイン)

2014年
キングスレー・コマン(フランス代表MF)
←パリ・サンジェルマン(フランス)

2015年
サミ・ケディラ(ドイツ代表MF)
←レアル・マドリー(スペイン)

2016年
ダニエウ・アウベス(ブラジル代表DF)
←バルセロナ(スペイン)

2018年
エムレ・ジャン(ドイツ代表MF)
←リバプール(イングランド)

2019年
アーロン・ラムジー(ウェールズ代表MF)
←アーセナル(イングランド)

2019年
アドリアン・ラビオ(フランス代表MF)
←パリ・サンジェルマン(フランス)

 いずれも加入後は重要な戦力として活躍し、セリエA8連覇など、ユーベの国内における絶対的な地位確立に貢献している点は、あっぱれと言わざるを得ない。そうした結果はアンドレア・アニェッリ会長をはじめ、引退後にフロント入りして現在は副会長を務めるパベル・ネドベドら首脳陣による綿密なスカウティングと巧みな交渉術の賜物だろう。

 また特筆すべきは、多くの選手を後に売却して多額の利益を得ていることだ。

 2012年8月にユナイテッドから引き抜いたポール・ポグバは3年後に同クラブへ当時史上最高額となる1億500万ユーロ(約134億円)で売りさばき、同じくキングスレー・コマンもレンタル期間を経て、獲得から3年後にバイエルンへ売却。1890万ユーロ(約24億4570万円)の利益を懐に収めた。

 イタリアで一強支配を続けるユベントス。そのしたたかな補強戦略も、強さの秘訣の一つに挙げられるだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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