「こんな負け方は不公平だ…」VARでゴールを取り消され、PK失敗に号泣したスアレスが苦しい胸中を吐露

2019年06月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

「こういう状況に慣れていない」と涙。

自身のPK失敗を悔やみ、大粒の涙を流したスアレス(右)。試合後にその胸中を明かした。 (C) REUTERS/AFLO

 失意のエースは人目をはばからずに悔し涙を流した。

 現地時間6月29日、ブラジルで開催されているコパ・アメリカの準々決勝で、ペルーと対戦したウルグアイは、スコアレスで突入したPK戦(4-5)で敗れ、3大会ぶりの戴冠を逃した。

 優勝候補の一角に挙げられながらペルーに足をすくわれたウルグアイ。90分の内に3度もネットを揺らしたが、すべてがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によって取り消されるという不運も相まって選手たちは一様に悔しさを滲ませた。

 そんな試合で最もやり切れない思いを爆発させたのが、スアレスだった。73分に会心のシュートをVARによって取り消され、迎えたPK戦では一人目として臨みながら痛恨のミスショット……。32歳の点取り屋は責任を痛感していた。

 ウルグアイ紙『El Observador』などの複数の母国メディアなどによれば、試合後、スアレスは、「悲しいよ……」と、その苦しい胸の内を吐露している。

「PK戦で負けるのは不公平だ。自分たちはペルーよりもいいプレーを見せていたし、多くの得点チャンスを作った。それでもいくつもVARでゴールを取り消されたうえ、今日のPK戦で起こってしまったような状況に身を置くことに、僕は慣れていない。もしかしたら初めての経験かもしれない」

 さらに左側に蹴るも、ペルーの守護神ペドロ・ガジェセにものの見事にセーブされたPKについては、「キックの瞬間に日本戦を思い出して方向を決めた」と振り返った。

「本当はゴールの上の方を狙って強いボールを蹴るつもりだった。だけど、相手のGKは僕のことを研究しているだろうし、日本戦で逆方向に蹴って決めたのを思い出して、あのキックを選んだんだ」

「僕らはこの苦しい現実に立ち向かわなければいけない」と気丈に振る舞ったスアレスは、チームメイトたちへの感謝も口にした。

「この難しい状況に直面し、悲しくなり、『なぜなんだ…』と自問していた。その時に、チームメイトが僕を助けてくれた。今こうして再び前を向くことができているのは、みんなの支えのおかげだ」

 そして、「このチームには質の高い選手がいる。今日も多くの勇気とプレーを見せ、ピッチじゃ主役だったはずだ。僕らには確かな未来があるはずだ」と胸を張ったスアレス。その視線はすでに次のステップへと向けられていた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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