衝撃退団のトッティ、経営陣との対立を隠さず! 偉大なるカピターノはなぜ愛するローマを離れたのか?

2019年06月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

あらゆる人事で「蚊帳の外」だったレジェンド

2017年に涙ながらに現役を退いたトッティ(左)は、ついにローマからも離れる決断を下した。 (C) Getty Images

 ローマからダニエレ・デ・ロッシとフランチェスコ・トッティがいなくなる――これまで、だれも想像しなかったことが現実となった。

 現地時間6月17日、トッティが会見を開き、幹部職を辞任して、ローマを去ることを明らかにした。現役時代からローマひと筋だったレジェンドが、初めて愛するクラブに別れを告げる。

 イタリア紙『Corriere dello Sport』などによると、トッティは、「この日が訪れないことを願っていた」としたうえで、テクニカル部門で手腕を発揮する機会が与えられなかったと説明。さらに「私のせいではない」、「彼らはすべてから私を外した」と、クラブ首脳陣との対立が辞任に至った理由と口にした。

 トッティはハビエル・パストーレの獲得に反対したと明かしている。実際、昨夏に鳴り物入りでパリ・サンジェルマンから加わった元アルゼンチン代表MFは、結果を残すことができず、今シーズンの補強における最大の失敗だったと評価されている。

 さらに来シーズンに向けてパウロ・フォンセカを招聘した監督人事においても、トッティは、「蚊帳の外」だったようだ。

 アントニオ・コンテに連絡し、就任の了承も得ていたと明かしたトッティは、噂されたシニシャ・ミハイロビッチやロベルト・デ・ゼルビ、ジェンナーロ・ガットゥーゾなど、その他の候補には連絡していないと強調。最終決定が下されたロンドンでの会議に出席しなかったのも、すべてが決まった後で「参加しても無意味だったから」と訴えた。

 クラブ首脳陣が「約束を守らなかった」と主張するトッティは、ジェームズ・パロッタ会長の右腕とされるフランコ・バルディーニ相談役とは、「まったく関係がなく、今後もない。どちらかが去らなければならなかった。そして私が辞める」と、深い溝があったことを隠していない。

 ただ、ローマの偉大なるカピターノは、「バルディーニがいなくても、経営陣が変わらなければ、ローマに戻ることはない」とも強調。クラブが2011年に現在のアメリカ資本になってから、「常にローマ人をローマから取り除こうとする狙いがあった」と漏らすトッティは、幹部の中にはチームが負けたことを喜ぶ者までいたと暴露している。

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