最多優勝を目指すウルグアイ、“不変”のタバレス戦術で死角なし!?【コパ・アメリカ対戦3か国のリアル評】

2019年06月16日 ルイス・インサウラルデ

最前線に陣取る同い年コンビは必見

各ポジションに多士済々のタレント擁するウルグアイ。日本にとってグループステージ最大の難敵だ。 (C) Getty Images

 去る現地時間6月14日に開幕を迎えた通算46回目のコパ・アメリカは、ホスト国のブラジルがボリビアに3-0で快勝して華々しくスタートした。

 この南米王者を決める戦いに20年ぶりに招待国として参加するのが日本だ。東京五輪をめざす若手中心のメンバー構成であるとはいえ、久保建英と中島翔哉の融合など、平均年齢22.3歳の若きサムライたちのパフォーマンスへの興味は尽きない。

 森保ジャパンがグループステージで相まみえるのが、南米でも指折りの名手たちを揃えるチリ、ウルグアイ、エクアドルだ。そのライバルたちのチーム状況を、現地記者に訊いた。ここでは史上最多16度目の優勝を目指すウルグアイを探る。

―――◆―――◆―――
 
 コンパクトな陣形を保ち、できるだけ高い位置でボールを奪って、ショートカウンターでゴールを目指す。それが叶わない場合はすぐさまリトリートし、強固な守備ブロックを築く。ボール奪回位置が低ければ、そこから落ち着いてビルドアップに向かうが、攻撃に多くの人数をかけることはほぼなく、相手のカウンターに対する警戒は常に怠らない――。

 72歳の名将タバレスが長い年月をかけて植え付けた戦術は、選手の顔ぶれが変わろうと不変であり、そのプレースタイルがブレることはない。

 最終ラインの柱は、ベテランのディエゴ・ゴディン(33歳)と若いホセ・ヒメネス(24歳)のCBコンビ。ミスが少なく、安定感は抜群だ。

 中盤にはルーカス・トレイラ、ロドリゴ・ベンタンクール、ナイタン・ナンデス、ジョルジアン・デ・アラスカエタら才能豊かな若手が目白押しで、そして最前線にはルイス・スアレス、エディンソン・カバーニという世界屈指のストライカーが構える。コンビを組んで長い同級生2トップはもはや阿吽の呼吸で、その存在だけで対戦相手に計り知れない脅威を与えるのだ。

 ベスト8入りしたロシアW杯当時から、さらに若手が成長。攻守両面で連携も深まり、チームとして、ひとつ上のステージに達した感さえある。大会最多記録をみずから更新する16回目の優勝も夢ではない。

文●ルイス・インサウラルデ text by Luis INZAURRALDE
訳●沢田啓明 translation by Hiroaki SAWADA

※『ワールドサッカーダイジェスト6月20日号』より転載
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事