【現地発】「高みから転落したニッポンヌ」フランス紙が、なでしこジャパンの”慢心ぶり”を酷評

2019年06月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

中継を担当するアナウンサーのトーンが徐々に…

ドローに終わり、顔を覆う南(中央)。守備陣は危ない場面をほとんど作らせなかったものの、1点が遠かった。 (C) REUTERS/AFLO

 女子ワールドカップのアルゼンチンとの初戦をまさかのドローで終えた日本について、開催国フランスのメディアは6月11日、「高みから転落した日本女子」との見出しで辛口の評価を与えた。

 試合が始まった直後は、中継局『Canal+Sport』が日本を詳細に、好意的に紹介していた。

 まずプレースタイルについて、「周知の通り、粘り強く守り、高さがない分テクニックとパスのクオリティーにものを言わせ、小さなスペースでもうまく繋いできます。実際、テクニックで(アルゼンチンを)上回っていますね」と解説。メンバーについても、「再建中で若い選手が多い。以前のようには輝いていないものの、上位進出を目指せるポテンシャルを秘めています」と強調した。

 また、リヨン所属の熊谷紗希については、「サキはいいシュートを持っているんです。(ボランチを務めることが多い)強豪リヨンでは多彩な攻撃陣がいるので中盤の底に残っていますが、ゴールも決めている。PK戦になると真っ先に名が挙がる存在です。今大会も中盤でプレーしたかったと思いますが、(日本代表では)CBで起用されています」と詳しく紹介された。

 そして、なでしこジャパンのメンタリティーについても称賛。「日本人は一日4時間も練習します。ヨーロッパではけっして実現できないことです。もっとも、監督やコーチの指示に従わざるを得ないため、彼女たちには拒否できないという面もあります。ただ、それだけの練習を積んだから、ハイレベルにプレーできるようになったということですね」と言及し、知日派の分析が続いた。

 ところが、パスは繋ぐものの攻撃の形が作れない日本の姿が明らかになると、トーンが変化。ハーフタイムのスタジオでは、「テクニックがあるのは明らかだが、縦へのプレーができていない。2011年、2015年と比べるとレベルが低すぎ。やる気も感じない」という辛辣な意見も飛び出した

 後半は時間が過ぎるにつれ、中継を担当するアナウンサーが「ドローならアルゼンチンは勝利も同然です!」と興奮し始める。

 解説者も「日本が迫力不足なのに対し、アルゼンチンはパワフルで動きもいい」、「日本はもっと人数をかけて攻撃しないとダメです。2、3人で攻撃しても、ブロックを固められているので突破できません」、「少なくとも、もっと前線に飛び出すべきです」、「(交代出場の)岩渕が何かをもたらすかと思いましたが、効果は特になし。戦術も変わらないですねぇ」と失望調に変化したのだ。

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