「久保は“最悪のプレーヤー”」。長友が18歳のアタッカーに最大級の賛辞

2019年06月10日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

百戦錬磨の長友が示す「久保攻略法」とは?

エルサルバドル戦後に久保について語った長友。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

「どう、止めようかなあ~」
 
 A代表デビューを飾った久保建英が躍動したエルサルバドル戦後、この日出番がなかった長友佑都に次の質問をぶつけてみた。「距離を置いたら自由にやられる、かといって無暗に突っ込むと捌かれてしまう久保を、あなたならどう止めますか?」と。
 
 それに対する長友の第一声が「どう、止めようかなあ~」である。少し悩んだあと、このベテランはまず「分析しないとだよね、彼を」と言った。彼曰く絶対にやってはいけないのは「久保の間合いで戦うこと」だ。
 
「彼の間合いで絶対に戦っちゃいけない。やっぱり、自分の間合いで戦わないとですね。(インテル時代に)セリエAではクアドラードやサラー、スソと1対1で対峙した時も、それを心掛けました。自分の間合いに引き込むのは得意なので、そういう展開に持ち込みたい。彼の間合いでやられて、『長友、18歳に負ける』という屈辱的な状況になることだけは絶対に避けたい。意地でも。最悪、ファウルをしてでも止めたいです」
 
 DFからして、ドリブルもパスもできる久保のようなアタッカーは厄介だ。
 
「ドリブル一辺倒の選手だったらやりやすいですよ。そういう選手なら自分の間合いで勝負できる自信があって、絶対にやられない。ただ、建英みたいな選手は厄介なんですよね。常に味方とつながっているから。その味方へのパスコースを切ると、切り返されて縦に行かれたり、逆に縦を切ったら今度は違うところのスペースを使われる。それって、最悪でしょ。相手からすれば、(久保は)最悪のプレーヤーですよ」
 
 数多くの猛者とやりあってきた長友の目にも、久保の才能は本物に映るようだ。ビッグクラブでも活躍できそうなポテンシャルを秘めていると思うからこそ、このベテランは久保が「本当に順調に育ってほしい」と願う。
 
「今後、海外に出たら、監督のシステムに合わなかったりとか、上手くいかないことに直面する。そこで彼が1ランク、2ランク、上に行くためにはパーソナリティ、メンタルの部分がすごく大事になってくる。見守りたいです」
  
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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