「そりゃあ、楽しかったですよ」。久保が代表デビュー戦で掴んだ手応え

2019年06月09日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「ひしひしと期待を感じました」

エルサルバドル戦で何度かチャンスに絡んだ久保。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 2019年6月9日、日本代表がひとめぼれスタジアム宮城でエルサルバドル代表を2-0で破った一戦で、久保建英がA代表デビューを果たした。

 2-0で迎えた67分、中島翔哉とともに途中出場した久保は73分にふたり抜き、後半のアディショナルタイムに中島翔哉と華麗なワンツーを決めるなど見せ場を作った。

 その活躍を経てミックスゾーンで囲み取材に応じた久保は「チャンスをもらえて良かった」とコメント。ピッチに入った直後は「めっちゃワーッと(歓声が)聞こえて、ピリピリじゃないですけど、ひしひしと期待を感じました」。

 森保一監督から「楽しんで」と声をかけられた18歳のアタッカーは南野拓実に代わってトップ下に近い位置に入ると、その監督の言葉にも勇気づけられて好プレーを披露した。まず意識したのは堂安律など「特長がより分かりやすいプレーヤーとのコミュニケーション」。投入直後に堂安へ送った縦パスがまさにそれで、その縦パスが以降の活躍につながるファクターとなった。
 
 特筆すべきは、73分に大迫勇也のスルーパスから抜け出したシーンだろう。「(投入されて)すぐの時間帯だったので、(ドリブルで)行こうかと」思った久保が「ふたりの間に行ったら、綺麗に、良い感じで抜けた」と話すように、そのドリブル突破はまさに華麗だった。そこからのシュート(浮かそうと思ったが、グラウンダーに)はGKの正面だったが、彼の才能の一端を示すプレーだった。

 そして後半アディショナルタイムの中島とのワンツーも見事だった。そのプレーを振り返って、「俺と似たような感じってわけじゃないけど、ボールを持った瞬間に何を考えているか分かったので、そうだろうなあと思って」と感覚的なプレーで、素晴らしいコンビネーションを見せつけた。

 一定の手応えを掴んだからだろう。「短い時間でしたが、自分がやれることは示せた」と言った久保は、代表デビューの実感こそ「今はそこまでない」が、「これから先、大きくなって自慢できることなのかな」とも語っていた。

 代表戦でプレーして「そりゃあ、楽しいですよ」とテンション高めに答えた久保。続くコパ・アメリカでどんなパフォーマンスを披露してくれるのか、楽しみだ。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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