久保と共演できればハットトリックも?”9年越し”代表初得点の永井謙佑が語った「感謝」と「後悔」

2019年06月09日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「ラストチャンスだと思ってやってきました」

エルサルバドル戦で2ゴールと躍動した永井。試合後にはチームメイトへの感謝と後悔を語った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ]日本2-0エルサルバドル/6月9日/ひとめぼれスタジアム宮城
 
 日本代表が6月9日、キリンチャレンジカップでエルサルバドルと対戦。2-0で勝利した。
 
 勝利の立役者は、誰あろう2得点の永井謙佑だ。19分に冨安健洋からのスルーパスに抜け出して先制ゴールを決めると、41分には原口元気からのクロスに合わせて追加点を奪取。自慢の快足を活かした飛び出しは効果的で、エルサルバドルの守備陣に脅威を与えていた。
 
 永井にとっては福岡大に在籍していた2010年に初招集を受けてから、約9年越しの代表初ゴールだ。喜びもひとしおだったに違いない。
 
 試合後には「前半からたくさんパスをもらえました。(南野)拓実からのパスで決められるチャンスもまだあったし、すごいやっていて楽しかったです」と充実感を語る。
 
 今回の3月シリーズは、永井にとっては急に訪れたチャンスだった。当初メンバー入りする予定だった鈴木武蔵の負傷で、追加招集を受けたのだ。森保一体制下では初招集で、しかも代表の舞台に立つのは、約4年ぶり。並々ならぬ思いは、当然あったという。
 
「ラストチャンスだと思ってやってきました。年齢も年齢ですし」
 
 現在30歳という年齢もプレッシャーになっていた。しかし、2得点という結果で期待に応えられたのは、それでも平常心を保てたからかもしれない。
 

 試合中には「結構無心でやっていた」という永井は、いつもFC東京でプレーしている姿勢を特別に変えることなく、味方からのパスを待った。
 
「東京でやっていることが代表でも活きていると思います。東京と代表のチームメイトに感謝したいです」
 
 自分のスピードに合わせてパスを送ってくれる、FC東京と代表のチームメイトに感謝する永井だが、やはり悔やみ切れないのは、59分のアクシデント。相手とマッチアップした際に右肩を負傷し、途中交代を余儀なくされるのだ。
 
 絶好調だったからこそ、会場にいたサポーターもテレビの前で見ていたファンも思っていのではないか。試合終了までピッチに立っていたら、ハットトリックも可能だったのではないかと。
 
 しかも、ピッチ上には勝手知ったるFC東京のチームメイトが3人もいた。スタメン出場の橋本拳人、途中出場の久保建英に室屋成。「どうなったかは分からないですよ」と笑いながら謙遜した永井だったが、一方で「(室屋)成も(橋本)拳人もいましたからね」と、やや悔しそうに笑う。
 
 もっとも、「ラストチャンス」で大きなインパクトを残したのは間違いない。約4年ぶりに代表に戻ってきたスピードスターは、ここから代表に定着できるか。
 
 永井は「代表に来てたくさん刺激をもらいましたし、こうやって自分の特徴を出させてもらっているので、本当にチームのために、代表のためにゴールを取れるように準備をしていきたいですね」と意気込んでいる。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
 
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