「1986年の“神”はコカイン中毒だった」――マラドーナのドキュメンタリー作品が話題沸騰! しかし、本人は…

2019年06月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

英紙が興味深い内容を紹介!

アルゼンチンが生んだ異端児マラドーナ。その波乱に満ちた人生を描いた作品が大きな話題を呼んでいる。 (C) Getty Images

 歯に衣着せぬ発言や周囲を驚かせる振る舞いで、引退後も世間の注目を浴び続けている元アルゼンチン代表FWのディエゴ・マラドーナの半生が脚光を浴びている。

 というのも、彼の波乱に満ちた半生が記録されたドキュメンタリー映画『Diego Maradona: Rebel. Hero. Hustler. God.(原題)』の公開が迫っているからだ。

 指揮を執ったのは、2011年に27歳の若さで死去した英国人歌手エイミー・ワインハウスの人生のドキュメンタリー作品『Amy』を製作したことでも知られるアシフ・カバディア監督で、その内容は大きな注目を集めている。

 膨大な様々な記録と本人への取材をまとめたこの作品は、マラドーナとドラックの根深い問題にも迫っている。

 ドキュメントの内容を記した英紙『The Sun』によれば、選手キャリアの繁栄を極めたナポリ時代に、マラドーナがマフィア組織『カモッラ一家』やコカインと繋がっていたことを表わす"証拠"が克明に描かれているとし、映画のワンシーンをレビューした。

「人々を虜にし、後世に語り継がれるであろうプレーを見せた1986年。マラドーナは暗い秘密を隠していた。その時、『サッカー界の神』と呼ばれた異端児は、コカインを手放せない状態で大会に臨んでいた。だが、あの夏のマラドーナは、強制的な麻薬検査を回避するために長い間、"白い粉"と決別する強い意思を見せつけた。ゆえにあの優勝は驚きだった。そして、彼は世界で最も物議を醸すフットボーラーとなっていった」
 
 そして、同紙は、マラドーナのナポリ時代の生活についても記している。

「ナポリでの習慣はこうだ。日曜日の午後に試合をして、週の真ん中まで彼はドラッグに浸る。それはマラドーナもドキュメンタリーで認めている。『私は日曜日から水曜日までコカインに漬かっていた。酩酊して家に帰る時もあった。そして自分の娘を見て、自らが怖くなり、トイレに閉じこもり続けた。そんな毎日だった』」。ただ、彼はビッグゲーム前には清潔さを保ち、一生懸命に練習を重ねて、ベストコンディションを整えていた」

『The Sun』が伝えた話は、ほんの一部に過ぎず、他にもピッチでファンを魅了したマラドーナの"裏の顔"を克明に明かしているという同作品だが、ある問題が発生しているようだ。なんと、当の本人が気に入っていないというのだ。なんでも、作品名に使われている「Hustler(詐欺師の意)」という言葉を嫌っているからだという。

 欧州のニュース放送局『Euro news』によれば、マラドーナは、「私はサッカーをプレーし、ボールを追いかけて、お金を稼いだんだ」と主張し、「誰も騙したことはないし、客寄せのためにこのタイトルを付けたのだとしたら、間違った方向に進んでいると思う。見ないで欲しい」と呼び掛けている。

 上映前から話題沸騰となっているマラドーナのドキュメンタリーのリアルさは、観る者にいかなる心象を与えるのか――。なお、一般公開は6月14日(日本公開は未定)となっている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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