CLファイナルはコッパ・イタリア決勝の視聴率を下回る…伊紙は“スーパーリーグ構想”に疑問!「本当に正しいのか?」

2019年06月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

イタリア国内では人気を博さなかった今季のCL決勝

ラツィオがアタランタを破った今年のコッパ・イタリア決勝は中堅クラブ同士の対戦だったにもかかわらず、イタリア国内では大きな注目を集めた。 (C) Getty Images

 現地時間6月1日にマドリードで開催されたチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝は、世界中のサッカーファンが注目したであろうビッグマッチだ。しかし、イタリアにおけるファイナルの視聴者数は、あまり芳しくなかったという。

 6月3日付イタリア『Gazzetta dello Sport』紙によると、国営放送『RAI1』で放送されたリバプールとトッテナムによるCL決勝の視聴者数は565万9000人だったという。視聴率にして27.2パーセントだ。有料衛星放送『Sky』の視聴者数は、135万8000人。合わせれば、701万7000人となる。

 一方、先月15日に行なわれたアタランタ対ラツィオのコッパ・イタリア決勝は、同じく『RAI1』で放送され、視聴者数は729万7000人(視聴率28.68パーセント)と、CL決勝を上回った。

 ちなみに、ユベントスとミランが対戦した昨シーズンのコッパ・イタリア決勝も『RAI1』で放送され、視聴者数は1058万3000人。視聴率は39.2パーセントにのぼっている。

 前述のように、CL決勝はシーズンを締めくくる大一番だ。確かに、ファイナリストがイタリアのクラブではなかった点はあるにせよ、リバプールは世界的な人気を誇るメガクラブ。しかも、モハメド・サラーやアリソンなど、少し前までイタリアでプレーしていた馴染みある選手たちが在籍するクラブでもある。

 それでも、イタリア国内での視聴数がコッパ・イタリア決勝を上回らなかった。ちなみに、フランスでも、同時間帯に放送された映画やリアリティー番組のほうが、CL決勝より視聴者数が多かったという。
 
 これらの数字を受け、『Gazzetta dello Sport』は、欧州クラブ協会やUEFAが検討している2024年からのCL改革、いわゆる「スーパーリーグ構想」に疑問を投げかけている。

 同紙は、「たとえ質が高くとも、(メガクラブ同士の対戦が)繰り返されることが、国内市場を殺し、国際的市場につなげる妥当な理由かつ正しい手段というのは、確かなことだろうか?」と綴った。

「どの舞台でも、シーズン3度目のトッテナムとリバプールの対戦は、アタランタ対ラツィオよりも視聴数を稼ぐというのだろうか。すでに、真逆のことが起きている」

 世界を代表する強豪クラブばかりの対戦は、観る者の大きな興味を引きつけることだろう。だが、イタリアの統計は、サポーターが自国のチームに強い関心を寄せていることを示したとも言える。はたして、スーパーリーグ構想は、妥当なのか。今後の進展が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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