【浦和】森脇良太の劇的同点ゴールを生んだ、大槻毅新監督の“熱い言葉”

2019年06月02日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

『今日のゲームを決めるのは、お前だ』

ラストワンプレーで劇的ゴールを決めた森脇。喜びを爆発させた。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ14節]川崎1-1浦和/6月1日/等々力陸上競技場

 リーグ4連敗中の浦和レッズを救ったのは、森脇良太の劇的な一発だった。

 試合3日前の5月28日にオズワルド・オリヴェイラ監督との契約を解除し、大槻毅監督に再建を託した浦和は、14節で川崎フロンターレと対戦した。
 
 前半こそ堅牢なブロックを築いて川崎に決定機を作らせなかったが、徐々に綻びが見えてきた後半の54分にレアンドロ・ダミアンに先制点を奪われる。その後、ビハインドの時間が続いたものの、劇的なドラマが待っていたのは、後半アディショナルタイム90+5分のCKだった。

 GKの西川周作までもがゴール前に上がり、まさに総動員で得点を狙いに行く。そうした執念がドラマチックな展開を呼び込んだ。

 宇賀神友弥のシュートミスを西川が左足でゴール前に流し込むと、そのボールが森脇の足もとにこぼれる。すかさず右足を振り抜いた森脇のシュートは相手の足に当たり、ネットを揺らしたのだ。
 
「『きた!』と思って、足を振り抜きました。ジャストミートせずに変な方向に飛んでいきましたけど、相手にうまく当たった時に、『ああ、入りそうだな』と。それが決まった時は嬉しかったですね。みんなに髪の毛を引っ張られたり、顔をもみくちゃにされましたけど、みんなで喜べたのは良かったです」と森脇は試合後に、振り返る。
 
 監督交代後の初陣で、是が非でも流れを変えたかった浦和にとっては、大きな価値がある1点だ。そんな劇的な同点ゴールを生み出したのは、大槻監督の言葉だったのかもしれない。

「大槻さんからは『今日のゲームを決めるのは、お前だ。勝負を仕掛けに行く時はお前でいく』と力強い言葉をもらった。その気持ちに応えたかった」

 こうした監督からの信頼の言葉を受けて、森脇は燃えた。
「ありきたりな言葉かもしれないけど、"やってやろう"と思った。チームの流れを変えたかった」

 大槻新監督の"熱い言葉"と森脇の"諦めない姿勢"がもたらした劇的な同点弾。チームを敗色濃厚の窮地から救ったこの1点が、浮上のきっかけになるかもしれない。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
 

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