マドリー移籍が濃厚のアザールが2G1Aの大活躍! チェルシーがアーセナルを粉砕して6年ぶりのEL制覇

2019年05月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

ジルー、ペドロ、アザールと役者が揃い踏み!

その冷静沈着なパスとシュートで敵陣を切り裂いたアザールがチームを勝利に導いた。 (C) Getty Images

 現地時間5月29日にアゼルバイジャンの首都バクーで開催されたヨーロッパリーグ決勝で、チェルシーとアーセナルが対戦した。

 前身のUEFAカップ時代を含め、1971-72シーズンにトッテナム・ホットスパーとウォルバーハンプトンが激突して以来、47年ぶりのイングランド勢対決となった今大会の決勝は、同じロンドンのライバルということもあり、序盤から両軍は局面での激しい肉弾戦を繰り広げた。

 その後、一進一退の攻防が続いた試合は、少しずつアーセナルがサイドからの崩しを起点に敵陣へと攻め込み、27分にはジャカがクロスバーをかすめるミドルシュートを放ったが、執拗なチェックを怠らない相手の守備網を突き破れず。一方のチェルシーも、40分にジルーが決定機を迎えたが、渾身のシュートは古巣対戦となる相手守護神チェフの好セーブに阻まれた。

 決勝らしい緊張感が漂うなか、互いに一歩も引かなかった前半はスコアレスで終了した。
 
 迎えた後半、いきなりブルーズが先制点をもぎ取る。49分、左サイドを攻め上がったエメルソンのライナー性の絶妙なクロスにいち早く反応したジルーがダイビングヘッド。これがゴール左下隅へ突き刺さったのだ。

 均衡が破れたことで、両軍のアグレッシブさが増した試合は徐々にオープンな展開となる。そのなかでビハインドを背負ったアーセナルは、10番のエジルが繰り出すパスを中心に相手守備陣の打開を図ったが、オーバメヤンとラカゼットの両エースが精彩を欠いて決定打を放てずに時間を浪費していった。

 そんなアーセナルを尻目にチェルシーが追加点を奪う。60分に敵陣でボールを奪ってからのショートカウンターで左サイドに展開。これをフリーで受けたアザールが余裕をもってエリア内にグラウンダーのパスを供給すると、右サイドから走り込んできたペドロが左足でゴール右下隅へと流し込んだ。

 これで勢いに乗ったチェルシーは5分後にダメ押し点を挙げる。エリア内でジルーがメイトランド=ナイルズに倒されてPKを獲得。これをアザールが難なく決めた。

 後がなくなったアーセナルは、67分にゲンドゥジとイウォビを投入。すると、この交代策が結果に結びつく。69分、相手のクリアをエリア外からイウォビがダイレクトシュート。アウトスピンがかかった弾丸のようなボールはあっという間にゴールへと突き刺さったのだ。

 しかし、わずか3分後にチェルシーは、アーセナルの戦意を喪失させるような一撃を見舞う。2点目の同じように敵陣でボール奪ってから一気にバイタルエリア深くまで運んだアザールがジルーとワンツーで守備ブロックを打開。エリア中央でリターンを受けた背番号10はいとも簡単にシュートを決めた。

 追いすがるアーセナルを退けて、点差を広げたチェルシーは、残り時間も危なげなく消化し、4-1で快哉を叫んだ。

 怒涛のゴールラッシュで同国対決を制したチェルシーは2012-13シーズン以来、クラブ史上2度目のEL制覇を達成。一方、エジルやオーバメヤン、ラカゼットなど、頼みの選手たちが不発に終わって、ライバルに完敗を喫したアーセナルは、来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場権を逃すという痛恨の敗戦となった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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