約7億円の報酬を辞退! ミラン監督退任が決まったガットゥーゾの去り際に、ミラニスタから称賛の声

2019年05月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

ミランの財政状況を察しての決断か…

ミラニスタから称賛されたガットゥーゾ。後任はまだ発表されていない。(C) Getty Images

 ミランは現地時間5月28日、ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督との契約を解消したことを発表した。2017年11月末の就任から約1年半。黄金期を支えたOBがまたひとり、再びミランを去ることが決まった。併せて、スポーツディレクターのレオナルド氏の退任も発表されている。

 2012-13シーズン以降で最高の5位という順位に導いたガットゥーゾだが、目標だったチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権獲得には至らなかった。シーズン中も解任報道がたびたび浮上していただけに、「ガットゥーゾの退任」という結果そのものは、決してサプライズではないだろう。

 だが、その去り際は世間を驚かせた。イタリア衛星放送『Sky Sport』によると、2021年までの契約を結んでいたガットゥーゾは、残りの報酬を受け取らないことを選んだからだ。その額、550万ユーロ(約7億2000万円)。クラブにとっては税込み1100万ユーロ(約14億3000万円)の支出減となる。

 ガットゥーゾへの支払いがなくなれば、財政問題を抱えるミランにとっては大きい。これによって、ガットゥーゾともに退任した彼のコーチングスタッフには即座に2年分の総額500万ユーロ(約6億5000万円)が支払われることになるそうだ。

 コーチングスタッフのため、そしてクラブのために漢気を示してミランを去ると決めたレジェンドOBに、SNS上では続々と賛辞が寄せられた。

「ガットゥーゾという名前のクラブがあったら、それだけで応援する」
「選手時代も監督としても、毎日このユニフォームを愛し、敬意を払うよ」
「お金も手放したのか。彼のような人がほかにいるだろうか? 絶対にいない」
「人生でミランのために泣いたことは何度もある。今日もその日となった」
「真のミラニスタ。紳士だ。彼がやったことを当たり前みたいに言うな。ほとんどだれにもできない」
「指揮に不満を抱いても、人となりやチームにとっての存在は最大の敬意、何より最大の愛情に値する」
「勝つために選手をピッチに送り出すのは、良い監督。自分のサラリーよりチームの将来を考えるのは、本物の男」

 ガットゥーゾのミラン退団は正しかったのか、現地メディア『Sport Mediaset』のアンケートでは、9500人のユーザーのうち、68%が「ノー」と回答した。

 ミランの決断は、吉と出るのか、凶と出るのか。その答えは、来季を待たなければいけない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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